掲示板スパムとは、掲示板に書きこまれる迷惑な書き込み。スパムメール(迷惑メール)と同じく、広告活動の一環として営利目的で投稿されるほか、嫌がらせを目的として投稿されることもある。


 掲示板で行なわれるコミュニケーションの内容とは関係のない広告が投稿されるため、コミュニケーションを行なう上での障害となるほか、短時間に掲示板スパムが大量に投稿されると掲示板サービスの提供が阻害されることもある。また、誰でも閲覧できる公共の場に投稿されることから、卑猥な内容の広告が子どもの目に触れるなど、広告の内容が問題となる。単なる広告の投稿だけではなく、ワンクリック詐欺などを行なうWebサイトへのリンクを含むこともあるため、掲示板スパムと思われる投稿のリンクには注意が必要である。


 現在、掲示板スパムに対して法的な規制は存在せず、システム的に完全に排除することも困難である。掲示板を設置する際には、スパムを投稿してくるIPアドレスに制限をかけるなど、一定の対処策を施すことが望ましい。

 クロスサイトスクリプティングとは、ソフトウェアのセキュリティホールの一つで、Webサイトの訪問者の入力をそのまま画面に表示する掲示板などのプログラムが、悪意のあるコードを訪問者のブラウザに送ってしまう脆弱性のこと。


 悪意を持ったユーザがフォームなどを通してJavaScriptなどのスクリプトコードを入力した時に、プログラム側に適切なチェック機構がないと、そのスクリプト内容がそのままHTMLに埋め込まれ、ページを閲覧したコンピュータでスクリプトが実行されてしまうことがある。


 このような形でページに埋め込まれてしまったスクリプトは、Webブラウザではページ作成者以外が埋め込んだものであると認識できないため、ブラウザ側でこの問題を防止するには、スクリプトを使用しない設定にするほかなく、スクリプトを使用する場合は常にこの問題が発生しうる。


 悪意のあるコードを直接埋め込んで実行させるほかに、ユーザに認識のないまま他所のスクリプトを呼び出して実行するよう仕向けることが可能なため、「クロスサイト」の名がついている。


 スクリプトの内容によってはCookieデータの盗聴や改竄などが可能なため、商取引に使ったCookieを横取りして、本人になりすまして物品の購入を行なったり、Cookieを認証やセッション管理に使っているサイトに侵入したり、より広範かつ深刻な損害を与える可能性がある。


 対策としては、訪問者からの入力内容をそのまま表示せずに、スクリプトなどのコードを識別して無効化する処理を施すことが必要である。

 クローキングとは、Webサーバに細工を施し、検索エンジンの巡回ロボットには一般の閲覧者とは異なる内容のWebページを見せること。

 検索エンジンでの順位を上げるためにキーワードを不自然に多く入れるといった改変をWebページに施し、一般ユーザには見せずに検索エンジンだけに選択的に送信する手法である。多くの検索エンジンではこの手法を不当とみなし、クローキングを行なったサイトをインデックスから除外したり、順位を極端に落とすといったペナルティーを科している。検索エンジン側では巡回ロボットだけではクローキングされたか否かは分からないため、不自然に上位にリストされたサイトを人手でチェックするなどの対策を行なっている。

 クールとは、英語の俗語で「かっこいい」という意味。デザインや内容などがすぐれているWebサイトを「クールなサイト」という。対する「ホット」も同様に優秀なサイトなどを指す際に用いられるが、「新しいサイト」「活発なサイト」などを指す際に使用されることが多く、微妙にニュアンスが違う。

 クリックストリームとは、Webサイトの訪問者がページを渡り歩いた「軌跡」のこと。「ページ遷移」などとも呼ばれる。


 一般的に、Webサイトを訪問者が訪れると複数のページを行ったり来たりするが、アクセス記録(ログ)を見れば、個々の訪問者がどのページをどのような順番で訪れたかを知ることができる。ページの移動はリンクをクリックすることによって行なわれるため、「クリックの流れ」という意味でこのように呼ばれるようになった。


 クリックストリームを分析することにより、使い勝手(ユーザビリティ)が悪いのはどの要素か、Webサイト全体の構成やナビゲーションに問題はないか、サイト運営者の意図通りに訪問者がサイトを使いこなしているか、といったことを調査することができ、改善に役立てることができる。

 クリッカブルマップとは、Webブラウザの持つ機能の一つ。画像の中に色々なリンク先を設定しておき、クリックした位置に応じて定められたリンク先に移動する機能。また、その機能を持った画像のこと。1枚の画像の中に複数のリンク先を設定できるため、地図の画像を利用したWebサイトや、Webページの上部や左部に配置されるメニューなどで利用される。
 クリッカブルURLとは、Webサイトのアドレス(URL)がクリック可能な状態で表示される機能。URLをクリックすることでWebブラウザが自動的に起動し、そのURLのページが表示されるようになっている。電子メールソフトやワープロソフトなどが備える機能で、文章の中からURLにあたる文字列を自動的に検出してクリッカブルにしてくれる。

 クラシファイドサイトとは、個人広告を集めて掲載するWebサイトやサービス。もとは紙媒体のフリーペーパーから発展したが、インターネットを利用することで全国から広告を集め、また、より多くの人を対象にできるようになっている。新聞などに広告を載せるためには、広告掲載料が必要になるが、クラシファイドサイトでは多くの場合、広告の掲載も検索も無料で行なえる。


 クラシファイドサイトは、ユーザからの投稿を集めたサイトという観点からすれば、内容を広告に限定した掲示板とも言える。広告は、内容によって、あらかじめ用意されたカテゴリに分類され掲載されるため、カテゴリを元にして望みの広告を探すことができる。また、キーワード検索や、募集している地域を指定した検索機能を使える場合もある。


 個人間で物品の売買などを行なえる点ではオークションサイトと似ているが、クラシファイドサイトで扱う広告は、売買に限らず、多岐に渡る点が特徴となる。売買の他には、たとえば、サークル・コミュニティの勧誘や、イベントの告知、求人広告、ルームメイトの募集などがある。


 クラシファイドサイトの例としては、サンフランシスコのローカル情報からスタートして全米規模に発展したこの分野の先駆けとも言える「Craigslist」が有名。また、eBay社の「kijiji」や、Microsoft社の「Windows Live Expo」などがある。また、携帯電話などから広告の投稿・検索が利用できる「kijijiモバイル」などのサービスもある。

 ググるとは、「Googleで検索する」という意味の俗語。ネット上で使われ出した表現だが、若者などの間では実際の会話で使うことも増えている。


 掲示板などで初心者が専門用語の意味など極めて基本的なことを質問すると、上級者が「そんなものはGoogleで検索すればすぐ分かるのだからいちいち聞くな」という含みを込めて「ググれ」と応じたことがはじまりと言われている。コンピュータやネットに詳しい人の間で広まり、現在では若者を中心に一般にも浸透しつつある。「Googleで」という意味合いが薄れ、より一般的な「Web検索する」という意味での用例も広まっており、例えば、「Yahoo!でググる」といった表現も見受けられるようになっている。


 英語でも同様の意味で「google」という動詞が使われており、Oxford English Dictionaryなど著名な辞書に収録されたことでも話題となった。「Google」はGoogle社の商標であるため、同社はこうした用法がブランドを傷つける恐れがあるとして、使用しないようユーザに求めている。

 学校裏サイトとは、特定の学校に関する情報を交換するために設置された掲示板サイト。その学校の公式ホームページなどとは異なり、関係者(大抵は在校生)が勝手に開設しているもの。学校や学校関係者(在校生、教諭など)に関する噂などが匿名で書き込まれ、ネットを利用したいじめの温床になっているとして社会問題化している。


 学校裏サイトは中学・高校についてのものが多く、主な運営者、利用者は在校生である。多くの教諭や保護者はその存在を知らず、存在を知っても携帯電話やパソコンの操作に疎くアクセスできないことも多い。学校裏サイトは携帯電話向けの掲示板サービスなどを利用して設置されることが多く、学校名を当て字にして検索できないようにしたり、パスワード認証で部外者が閲覧できないようにしたり、パソコンからのアクセスを拒否するよう設定していることもある。


 多くの学校裏サイトは、同じ学校に通う児童・生徒同士で有意義な情報交換や交流を行なうことを目的に設置されるが、その匿名性や閉鎖性から、特定の教諭や生徒に関する噂や誹謗・中傷、デマなどの書き込みが増えていくことが多い。わいせつな内容の書き込みや画像が掲載されたり、学校関係者の個人情報が本人に断り無く掲載されたりといった事例も見られる。00年代中頃から学校裏サイトでの書き込みに関連すると見られるいじめやそれを苦にした自殺、生徒間のトラブルなどが全国で発生するようになり、学校関係者は頭を痛めている。