
窮地に立たされた苦しい経験がないと、
本当の幸せもまたわからない。
人間には苦も楽も必要なんです。
それと、間違った方向に走ったとしても、
それを軌道修正したいという平衡感覚を、
人間は本能的に持ち合わせている。
だから誰でも自分次第で幸せになれるんです。
(加山雄三)
加山雄三。74歳にして、いかにも湘南ボーイ、慶応ボーイ然としたダンディズムはいまだ健在。
しかし、加山氏も1970年、父親である上原健のホテル事業の破たんに伴い、23億円の借金を抱えます。当時のことを加山氏は「突然、ガスも電気もとめられて、困った」と述懐しています。
実は多くの社会的成功者が不幸を幸福の対極にみるのではなく、一見不幸に見える事象も実は幸福に至るひとつのプロセスであり、幸福の一要因とみなしています。
加山雄三のこうした幸福観にも真のダンディズムが感じられます。