第1回/制限行為能力者──未成年者 | ┃忙しい人のための宅建民法一問一答ドリル┃

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宅建試験の合否はズバリ民法で決まります。 しかしはじめての人には民法はかなり難しい科目です。
このドリルは過去問から必須テーマを精選し, くわしくやさしい解説をつけました。
忙しい人でも十分合格できる民法の実力がついてきます 。
 [平成24年4月22日開講]



このドリルは平成24年度試験に向けて, 本日から第1回目を開始します。
  今後, 随時掲載していきますが, 6月末には終了する予定でいます。
  この予定ですと, 受験者のみなさんが十分に反復練習できるでしょうから。
  ドリル問題はすべて過去問から精選し, 解説は一肢一肢わかりやすくかつ詳しくしていますので, 民法に関しては自信をもって臨むことができます。
  ご使用の基本テキストとあわせてご活用ください。



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みなさんのワンクリックでやる気が出てきます。





□■問題編  (正解と解説は後半にあります)



以下の問で, 正しいものには○, 誤っているものには×をつけなさい。



【問 1】 (59-2-1)

  未成年者が, 法定代理人の同意を得ずに, アパートを賃借する契約を締結した場合, 賃貸借契約は無効である。



【問 2】 (22-1-1)

  土地を売却すると, 土地の管理義務を免れることになるので, 婚姻していない未成年者が土地を売却するに当たっては, その法定代理人の同意は必要ない。



【問 3】 (20-1-2)/類題(11-1-3)(15-1-2)
  未成年者は, 婚姻をしているときであっても, その法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は, 取り消すことができる。 ただし, 単に権利を得, 又は義務を免れる法律行為については, この限りではない。



【問 4】 (17-1-4)
  自己所有の土地を売却するAとの売買契約において, 買主Bが婚姻している未成年者であり, 婚姻がBの父母の一方の同意を得られないままになされたものである場合, Bは未成年者であることを理由に当該売買契約を取り消すことができる



【問 5】  (56-2-1)/類題(55-4-4)(60-9-1)(1-3-2)
  未成年者が法定代理人の同意を得ないでした法律行為は取り消すことができるが, この法律行為の取消しは善意の第三者に対抗することができない。



【問 6】 (60-9-2)

  A所有の不動産につき, Aを売主, Bを買主とする売買契約が締結されたが, Aは未成年者であり, 成年後見人であるCの同意を事前に得ていなかった。 この場合, Bは, Cに対し, 1ヶ月以上の期間内にAの行為を追認するか否かを確答すべきことを催告することができ, 当該期間内にCが確答を発しなかった場合には, CはAの行為を取り消したものとみなされる。



【問 7】 (62-2-2)
  14才の子供Aが, 自己所有の土地をBに譲渡する契約を締結した。 この場合, Aの法定代理人がその代金債権を第三者Cに譲渡しても, 当該契約を追認したものとはみなされない。



【問 8】 (2-4-2)/類題(60-9-4)
  A所有の土地が, AからB, Bから善意無過失のCへと売り渡され, 移転登記もなされている。 このとき, Aが未成年者の場合, Aは, 法定代理人の同意を得ずに契約をしていても, 成年に達すれば, AB間の契約を取り消すことができなくなる。





□■正解&解説編



【問 1】 ×
  未成年者が, 法定代理人の同意を得ずに, アパートの賃貸借契約を締結した場合, この契約を取り消すことができます。

 無効なのではありません。



【問 2】 ×
  婚姻していない未成年者が法律行為 (=契約) をするには, その法定代理人の同意が必要です。 「土地の管理義務を免れることになる」 かどうかは, まったく関係ありません。



【問 3】 ×
  未成年者も婚姻をすれば, 成年に達したものとみなされ, 以後, 行為能力者として扱われます。 これを成年擬制といい, これにより未成年者は, 自分1人の単独意思で法律行為をすることができます。

  つまり, 婚姻した未成年者が単独で行った意思表示 (契約) も完全に有効で, 親権者 (法定代理人) の同意がないことを理由に, その意思表示を取り消すことはできないのです。
  ただし 「単に権利を得, 又は義務を免れる法律行為」 については, 婚姻の有無にかかわらず, 単独で行ったとしても取り消すことはできません。

 

  未成年者も婚姻すれば, 法律的・経済的に独立させることが適切だと考えられたのです。 たとえ未成年中に離婚しても, 成年擬制は変わりません。



【問 4】 ×
  未成年者の婚姻は, 父母の同意を必要としますが, その同意は父母の一方だけで足ります。
  したがって, 未成年者Bの婚姻が 「父母の一方の同意を得られないまま」 であっても, Bは婚姻によって成年に達したものとみなされ, 行為能力者として扱われます。
  つまり 「未成年者であることを理由」 に契約を取り消すことはできないのです。



【問 5】 ×
  未成年者が, 「法定代理人の同意を得ないでした」 ことを理由に法律行為を取り消した場合, この取消しは, 未成年者であることを知らなかった善意の第三者にも対抗することができます
  制限行為能力者は, 善意の第三者に対しても優先して保護されているのです。



【問 6】 ×
  相手方Bが, 成年後見人Cに対し, 未成年者Aの行為を追認するか否かを確答すべきことを催告したにもかかわらず, Cが, 所定の期間内に 「確答を発しなかった」 ときは, その行為を追認したものとみなされます



【問 7】 ×
  取り消すことができる法律行為について, 一定の事実があったときは, 追認 (取り消さないことにする) したものとみなされ, 確定的に有効となり, 以後取り消すことができなくなります。
  これを法定追認といいますが, 権利の譲渡はこれにあたりますので, 法定代理人が代金債権を譲渡したときは, この契約を追認したものとみなされます。

  このほか, 法定追認とされる事由には次のものがあります。
 ①  全部または一部の履行 
 ②  履行の請求
 ③  担保の供与  など



【問 8】 ×
  未成年者が, 法定代理人の同意を得ずに契約をした場合, これを取り消すことができますが, いつまでも取り消せるわけではなく, この取消権は, ①追認できる時から5年間行使しないとき, または, ②契約の時から20年間経過したときは, 時効消滅します。
  Aが追認できるのは成年に達した時からで, この時から5年間取消しをしないときに, 取消権が消滅し, 契約ははじめから有効であったものとみなされるのです。
  単に成年に達したというだけで 「契約を取り消すことができなくなる」 わけではありません。



【重要条文】

■成年の意味 (4条)
  年齢20歳をもって, 成年とする。


■未成年者の法律行為 (5条)
 ①  未成年者が法律行為 (契約) をするには, その法定代理人の同意を得なければならない。 ただし, 単に権利を得, または義務を免れる法律行為については, この限りでない。
 ②  前項の規定に反する法律行為は, 取り消すことができる。


■取消権の存続期間 (126条)
  取消権は, 追認をすることができる時から5年間行使しないときは, 時効によって消滅する。 行為の時から20年を経過したときも, 同様とする。


■婚姻による成年擬制 (753条)
  未成年者が婚姻をしたときは, これによって成年に達したものとみなす。


以上



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