ドリルが参考になった方はカチッとクリックをお願いしますネ。
↓ ↓
前回問題練習からだいぶ日にちがあきました。
個人的にいろいろあって, てんてこ舞いでしたので。
さて, 今回は保証債務です。
民法克服をめざして今回も元気を出していきましょう。
[保証債務]
■□問題編 (正解と解説は後半にあります)
以下の問で, 正しいものには○, 誤っているものには×をつけなさい。
【問 1】 (22-8-2)
保証人となるべき者が, 口頭で明確に特定の債務につき保証する旨の意思表示を債権者に対してすれば, その保証契約は有効に成立する。
【問 2】 (6-9-2)/類題(63-9-1)
Aは, BのCに対する 1,000万円の債務について, 保証人となる契約を, Cと締結した。 この場合, BのCに対する債務が条件不成就のため成立しなかったときは, Aは, Cに対して保証債務を負わない。
【問 3】 (60-11-1)/類題(58-7-4)
Aは, 宅地建物取引業者Bからマンションを購入し, Bの保証を受けてC銀行から金銭を借り入れ, その支払いに充てた。 この場合, Bの保証債務の対象には, AがC銀行に支払うべき違約金及び損害賠償も含まれるが, Bは, 自己の保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することはできない。
【問 4】 (6-9-3)
Aは, BのCに対する 1,000万円の債務について, 保証人となる契約を, Cと締結した。 この場合, AC間の保証契約締結後, BC間の合意で債務が増額されたときは, Aは, その増額部分についても, 保証債務を負う。
【問 5】 (6-9-1)/類題(63-9-3)
Aは, BのCに対する 1,000万円の債務について, 保証人となる契約を, Cと締結した。 このとき, CがAを保証人として指名したため, Aが保証人となった場合, Aが破産手続開始の決定を受けても, Cは, Bに対して保証人の変更を求めることができる。
【問 6】 (63-9-4)/類題(58-7-1)(22-8-3)
保証人 (ただし, 連帯保証人ではない) は, 債権者から債務の履行の請求を受けたときは, 原則として, まず主たる債務者に催告をするよう請求することができる。
【問 7】 (15-7-2)
Aは, Aの所有する土地をBに売却し, Bの売買代金の支払債務についてCがAとの間で保証契約を締結した。 このとき, Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合, AがCに対して保証債務の履行を請求してきても, Cは, Bに弁済の資力があり, かつ, 執行が容易であることを証明することによって, Aの請求を拒むことができる。
【問 8】 (15-7-4)/類題(60-11-3)(2-7-2)
Aは, Aの所有する土地をBに売却し, Bの売買代金の支払債務についてCがAとの間で保証契約を締結した。 このとき, Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合, Bに対する履行の請求その他時効の中断は, Cに対してもその効力を生ずる。
【問 9】 (58-7-2)
AがBに対して負う債務について, Cは保証人(ただし, 連帯保証人ではない。) となった。 この場合, AがBに対して債権を有しているときは, Cは, この債権により相殺をもってBに対抗することができる。
【問 10】 (6-9-4)
Aは, BのCに対する 1,000万円の債務について, 保証人となる契約をCと締結した。 この場合, CがAに対して直接 1,000万円の支払いを求めて来ても, BがCに 600万円の債権を有しているときは, Aは, Bの債権による相殺を主張して, 400万円を支払えばよい。
【問 11】 (60-11-4)/類題(22-8-1)
Aは, 宅地建物取引業者Bからマンションを購入し, Bの保証を受けてC銀行から金銭を借り入れ, その支払いに充てた。 この場合, Bは, Aの委託を受けなくても保証をなすことができるが, Aの意思に反して保証をなすことはできない。
正解&解説
【問 1】 ×
保証契約は口頭でも成立するのでしょうか。
保証契約は, 書面でしなければ効力を生じません。 無効です。
従来, 口頭によるあいまいな保証契約によって保証人に過重な責任を負わせていたため, 書面により明確化することにしたのです。
平成17年の改正点です。
【問 2】 ○
主たる債務が不成立だったら?
Bの主たる債務が, 条件不成就のため成立しなかった場合には, Aの保証債務も成立しません。
保証債務は, 主たる債務を担保することが目的ですから, 必ず主たる債務の存在を前提としており, 主たる債務がなければ成立せず, 主たる債務が消滅すれば消滅します。
これを保証債務の付従性といいます (担保物権の付従性と同じです)。
※ 同様に, 主たる債務が錯誤を理由に無効だったり, 詐欺を理由に取り消された場合にも, 保証債務は成立しません。
※ 主たる債務は, 将来発生する特定の債務, または特定の条件付債務であってもかまいません。
継続的な取引関係から生じる複数の債務を一定の決算期において保証する根保証も認められます。
根保証に関しては, 平成17年の法改正で明文化されました。
【問 3】 ×
保証債務だけに違約金等を約定できるか, という問題です。
保証債務は, 主たる債務に関する利息, 違約金, 損害賠償など, 主たる債務に従たるすべてのものを含みますが, 保証人は, 「自己の保証債務についてのみ」 違約金または損害賠償の額を約定することができます。
これは, 保証債務の履行を確実にするためです。
【問 4】 ×
主たる債務が後で増額されたらどうなるのでしょうか。
「保証契約締結後」 に, 債権者・債務者の 「合意で債務が増額」 されても, 保証人は増額部分について保証債務を負いません。
保証債務は, 常に現在における主たる債務を担保しますから, 主たる債務の変更に応じてその内容を変更するのが原則です (主たる債務が損害賠償債務に変わったような場合)。
しかし一方, 保証債務は, 保証契約によってすでに定まっており, 保証人の意思に基づかないで不利益を強いることはできませんから, 保証契約後に主たる債務の内容が加重されても, 保証人には効力は及びません。
付従性もこの限りで制限されるのです。
【問 5】 ×
保証人となるにはなにか要件がいるのでしょうか。
保証人となる資格にとくに制限はありません。 当事者間で自由に決めることができます。
しかし, 法律や契約によって債務者が保証人を立てる義務を負う場合は, 保証人は, ①行為能力者である, ②弁済資力を有する, の2要件を備えなければならず, 後で②の要件を欠けば, 債権者は, 債務者に対して保証人の変更を請求できます。
ただし, 債権者が, 保証人を指名した場合は, その保証人が破産手続開始の決定を受け弁済資力を失っても, 債務者に対して保証人の変更を求めることはできません。
自ら指名のリスクを負うべきだからです。
※ ①は, 制限行為能力を理由に保証契約が取り消されることを防ぐため, ②は, 保証債務が確実に弁済されるようにするためです。
【問 6】 ○
催告の抗弁権についての問題です。
保証人は, 債権者から履行の請求を受けたときは, 原則として, まず主たる債務者に催告をするよう請求できます。 これを催告の抗弁権といいます。
この抗弁権が認められるのは, 保証債務は, 主たる債務が履行されないときに履行する従たる債務だからです (保証債務の補充性)。
※ ただし, 主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき, または行方不明であるときは, 催告の抗弁権はなく, 保証人は請求に応じなければなりません。
【問 7】 ○
検索の抗弁権についての問題です。
「Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない」 とありますから, 連帯保証ではなく, 普通の保証債務です。
連帯保証と保証債務の違いがわかっていることが前提です。
保証債務の場合, 保証人Cは, 主たる債務者Bに, ①弁済の資力があり, かつ, ②執行が容易であることを証明することによって, 債権者Aの請求を拒むことができます。
これを検索の抗弁権といい, やはり保証債務の補充性によるものです。
※ なお 「主たる債務者」 が, 債権者から履行の請求を受けたとき, まず保証人に催告せよと請求することはできません。
主たる債務者は履行するのが当然ですから, 催告の抗弁権, 検索の抗弁権がないのはいうまでもないのです。
【問 8】 ○
履行の請求は保証人にも及ぶのでしょうか。
「連帯して債務を負担する特約がない」 普通の保証債務の場合, 主たる債務者Bに対する 「履行の請求」 その他の事由による時効の中断は, 保証人Cに対しても, その効力を生じます。
保証債務の付従性によるものです。
【問 9】 ○
保証人は, 主たる債務者の相殺を援用できるでしょうか。
主たる債務者が, 債権者に対して債権 (反対債権) を有しているときは, 保証人は, その債権による相殺をもって債権者に対抗することができます (保証債務の付従性)。
【問 10】 ○
前問を事例にしただけです。
保証人は, 主たる債務者の有する債権による相殺をもって, 債権者に対抗することができます。
つまり, 保証人Aは, Bの反対債権 600万円で相殺して, 400万円だけ支払えばいいのです。
※ 保証人が, 主たる債務の有する同時履行の抗弁権を行使できることはもちろんです。 買主の代金債務の保証人などに多い事例です。
【問 11】 ×
保証契約はだれでも締結できるのでしょうか。
保証人は, 主たる債務者の 「委託を受けなくても」 保証をすることができ, また, その 「意思に反して」 も保証することができます。
保証契約は, 債権者と保証人との契約ですから, 主たる債務者の委託・意思を問題としないのです。
【重要条文】
■保証人の責任等 (446条)
① 保証人は, 主たる債務者がその債務を履行しないときに, その履行をする責任を負う。
② 保証契約は, 書面でしなければ, その効力を生じない。
■保証債務の範囲 (447条)
① 保証債務は, 主たる債務に関する利息, 違約金, 損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
② 保証人は, その保証債務についてのみ, 違約金または損害賠償の額を約定することができる。
■保証人の負担が主たる債務より重い場合 (448条)
保証人の負担が債務の目的または態様において主たる債務より重いときは, これを主たる債務の限度に減縮する。
■保証人の要件 (450条)
① 債務者が保証人を立てる義務を負う場合には, その保証人は, 次に掲げる要件を具備する者でなければならない。
一 行為能力者であること。
二 弁済をする資力を有すること。
② 保証人が前項第二号に掲げる要件を欠くに至ったときは, 債権者は, 同項各号に掲げる要件を具備する者をもってこれに代えることを請求することができる。
③ 前二項の規定は, 債権者が保証人を指名した場合には, 適用しない。
■催告の抗弁 (452条)
債権者が保証人に債務の履行を請求したときは, 保証人は, まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。
ただし, 主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき, またはその行方が知れないときは, この限りでない。
■検索の抗弁 (453条)
債権者が催告の抗弁に従い主たる債務者に催告をした後であっても, 保証人が, 主たる債務者に弁済をする資力があり, かつ, 執行が容易であることを証明したときは, 債権者は, まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
■主たる債務者について生じた事由の効力 (457条)
① 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は, 保証人に対しても, その効力を生ずる。
② [保証人の相殺援用] 保証人は, 主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができる。
以上
──────────
