
右足の骨肉腫のため、戦列を離れるサッカーJ1
大宮アルディージャのDF塚本泰史選手(24)
7日、NACK5スタジアム大宮で行われたセレッソ大阪戦で
選手やサポーターたちにしばしの別れを告げた。

塚本選手は近く入院する予定で、患部の右大腿(だいたい)骨の腫瘍(しゅよう)を切除し、人工骨で補う手術を受ける。
大宮は3―0で開幕戦に快勝。塚本選手に勝利をプレゼントした。
塚本選手は駒沢大出身で、3年目のサイドバック。
家族思いの優しい性格で、チームの人気者だった。
昨季、正確なクロスとFKを武器に定位置を獲得。
今季、飛躍を期待されたが、先月末、自らの意志で記者会見を開き、病状を明らかにした。
この日の試合前、ユニホーム姿でピッチ中央へ。
ホーム側のサポーター席に、今季着用する予定の塚本選手のユニホームが掲げられた。
サポーターに一礼。
声援に両手を上げて応え、何度も目元をぬぐった。
出場する選手たちはロッカールームで「泰史のための試合」と繰り返した。
44分、FW石原直樹選手(25)が2点目のゴール。
MF藤本主税(ちから)主将(32)が、指を2本立てて喜んだ。
塚本選手の背番号「2」だ。ほかの選手も続いた。
観客席で見守った塚本選手は試合後、仲間と握手し、抱き合い、泣いた。
「僕の夢はワールドカップに出たいとかじゃなく、ただ純粋にサッカーをしたいだけです」
これから病気と闘う日々が始まるが、「声援が響いて幸せでした。一日も早く戻ってきたい」と笑顔で感謝を忘れなかった。

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