玄米は「生きているお米」といわれ、水に浸すと芽がでてきます。
発芽玄米とは、玄米を水に浸して発芽させたお米のことです。
玄米は十分に浸水されることによって眠っていた酵素が発芽の際に活性化し、出芽のために必要な栄養素を玄米の中に増やしていきます。
そのため玄米よりも栄養価が高く、硬い糠層がやわらかくなるので白米と同じように炊飯器で炊くことができるようになります。
発芽玄米の最大の特徴
- ギャバ(ガンマアミノ酸)が玄米の3倍・白米の10倍含まれる
- 玄米の糠層に含まれるアブシジン酸を無毒化できる
- フィチン酸がビタミンB複合体の1つであるイノシトールに変化する
GABAギャバ(γ-アミノ酸)とは
抑制性の神経伝達物質として、脳内の血流を活発にし、酸素供給量を増やし脳細胞の代謝機能を高める物質です。
GABA(ギャバ)の代表的な特徴はリラックス効果で、テレビや雑誌などでもよく紹介されています。心を落ち着かせ、高ぶった神経を鎮める作用があることから、不眠症や更年期障害に伴う不定愁訴を減らす働きがあることもわかっています。
不足すると… |
イライラする
様々な体調不良 |
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増加すると… |
血圧を下げる
中性脂肪を抑える
肝臓・腎臓の働きを高める
神経を鎮める
イライラを抑える |
アブシジン酸(ABA)を無毒化
玄米を水に浸し、玄米の含水率が30%以上、温度が15~20℃以上になり玄米発芽の絶対条件が整うと、ジベレリンが始動して、アブシジン酸がファゼイン酸(PA)とジヒドロファゼイン酸(DPA)に分解されます。
ファゼイン酸含有の発芽玄米は人体にとっても無毒になり、また有効栄養素に変わるものと考えられています。
フィチン酸がイノシトールに変化
フィチン酸は、特に種子の中においてはフィチン(フィチン酸とミネラルの混合塩で水不溶性)の形をとっていて、強いキレート作用でリンなど多くの金属イオン(カルシウム、マグネシウムなどのミネラル)と強く結合しています。
玄米が発芽する絶対条件が整うと、フィチン酸はビタミンB複合体の1つであるイノシトールに変化し、ミネラルをキレートする作用による毒性も消滅するとされています。
イノシトールは、ビタミンBとして働き、脂肪肝や高脂血症の治療に用いられるほか、セロトニン異常に起因するうつ病、パニック症候群などに有効とする研究結果もあります。
<キトレート作用とは>
ミネラルなどの金属元素と結合して、体内から排出する作用のことです。
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フィチン酸については諸説様々あります。
『フィチン』が胃に入ると、発芽玄米にしなくても胃酸の影響で『フィチン酸』と『ミネラル』に解離されるという意見もあります。
また『分解されたフィチン酸』は、元々くっついていたミネラルとは異なる金属イオンと結合して排出されるかもしれないが、そのときには元々持っていたミネラルが体内に残るので、体内のミネラルは増えることはあっても減少することはない、という意見もあります。
穀物中に『単体のフィチン酸』が含まれることはありえないので、玄米や穀物を摂取することで体内のミネラルがマイナスになることは論理上ありえない、という見解です。
ちなみにフィチン酸の含有率は、
玄米よりもゴマ・大豆・小麦・トウモロコシなど他の穀物の方が高いようです。
専門家の間でも意見が割れている見解を、素人の私が判断することは到底できませんが、前回も書いたように私は自らの体験から「玄米食は長くて数ヶ月〜半年くらいで止めるのが理想的」という意見に賛成です。
(発芽玄米を食べて現れた変化を近日中にアップします)
玄米を常食している幼い子どもや、玄米菜食を徹底している人に虫歯患者が多く、玄米のキトレート作用によってカルシウムが一緒に奪われているからではないかとの推測も一部にあるようです。