ウェブ屋な日常

ウェブ屋な日常

フリーのウェブ屋のつぶやきです

Amebaでブログを始めよう!
なにかのジャンルの情報を提供するコミュニティサイトを作りたい、とお客様から相談を受けることがよくあります。よくあります。

恐らくですが、無料でなんとか人を集めて囲い込み、そこに広告を載せてその出稿料等で小金を儲ける、または有料メルマガなどで小金を儲ける、なんてのは言わせて貰えば素人の方から見た際に、一番わかりやすい錬金術のように見えるビジネスモデルなのだと思います。

これ、勘違いです。思いつきでなにかをやりたいだけの個人の方がそのビジネスモデルで成功する確率は、確実にです。

まず、日本で商売をして儲けたいと思っている方がどのくらいの方がいるかを考えてみてください。そして、実際に儲けていて、予算人脈柔軟な思考実行力を兼ね備えた野獣のような方々が、お金を儲けるという分野にどれだけ渦巻いているか。

彼らのお金に関する貪欲さと、それにまつわるアイデア出しの才能、そして儲けることならどんな汚いことや情けないことでも平気で実行できるメンタルの強さ、儲からないと見るや素早く切り替える判断力。どれも稀有な才能で、お金儲け初心者や、現在予算があまりないけど一攫千金したいと夢想する方が成功する余地は今の日本にはありません。彼らには絶対に勝てません。


数字の話で言うと、ウェブの広告での儲けはそのサイトのアクセスと正比例します。ジャンルや方法論ごとに異なるので一概には言えないのですが、例えば月に1万の売り上げを広告で上げたければ、少なくとも10万アクセス/月以上は必要と言われています。

日単位に換算すると一日3千人強の人が毎日見てくれてやっと達成できる数字です。これ例えば具体的にどういう感じかというと、ブログで毎日数本のネタを常時更新し続けても達成できるかどうかは怪しい、というレベルですね。


コミュニティサイト、という視点で言うと、PVを定常的に確保するのであれば会員数を増やせばいいということではあります。(だから素人の方は会員を囲い込む手段としてコミュニティサイトを思いつくのでしょう)ただし、現状どのジャンルにも必ずユーザーが集まるコミュニティサイトは存在しています。よほどのニッチなジャンルでないと、定番コミュニティサイトがないジャンルは見つからないのではないでしょうか。

それらのサイトがそこに至るには経緯があり、かつ、そのサイトは恐らく既にユーザーの中に根を下ろすことを完了していることが多いです。後発はそれを全て覆すだけのものがないと見向きもされません。新規に会員を獲得するのは恐ろしくハードルが高いと言えます。

ちょっとやそっと既存より優れている程度ではユーザーには見向きもされません。サイト自体が既存よりはるかにはるかに優れた機能を持っているか、そのジャンルにオピニオンリーダーやアイドル的存在が居る場合にはその人達が協力してくれるなど、なにか別の要素が必要になってきます。


まとめると、新たにコミュニティサイトを立ち上げるにあたっては以下のような要素が必要となってきます。

・そのジャンルが未開拓である。
・既に開拓済みのジャンルなら、定番となっている既存サイトに勝るアイディアがある。
・新規サイト立ち上げ時にそのサイトを使ってもらうために、十分な宣伝広告を打つための潤沢な予算と、手間暇を惜しまないモチベーションがある。
・管理者となる人物にウェブのソーシャルな動きに関する知識があって、それらを利用することに長けている。

「コミュニティサイトを作って儲けたいと思うんだけど」

という老害な方々はこのどれも持ち合わせていないことが多く、そして多くはこれを含めた提案をこちらに求めてきます。そのどれも莫大な予算をかけてがっつりとやってる人達でさえなかなか成功できていないことであり、どれだけ自分の能力を過信していても、個人でそれを達成できるというお返事を返すことは不可能です。それができると返事してしまう方は詐欺師だと思ったほうがよいです。


お金だけもらって向こうが言うなりのものを作って納品してさようなら、という形でも僕としてはよいのですが、そうするととたんにやる気がないのか、もっと提案しろ、一緒に儲けようと思わないのか、と言った方向にお話が行ったり、下手すると裁判沙汰となります。過去、制作会社在職中に危うく巻き込まれかけてくわばらくわばら、ということがありました。

これだけ予算をつぎ込んだのになんでこの程度のものしかできないんだ!

という問いには

あんた自身が自分で頑張る気が全くないからだよ!

とお答えしました。

基本「コミュニティサイト」を「一緒に」よいものにしていこう、みたいなご提案は全力でお断りすることにしています。自分が努力する気がない方と一緒にやると、努力する部分を全部こちらに背負わせようとし、拒否するとまるでこちらの非の様に責められることが多いです。

そんなやつらみんな〇ねばいいのに!

なんてことを考えながら、今日もお客様のサイトをコツコツと作成しています。


あ、上に書いたことに例外がひとつありました。

コミュニティサイト作成において、発案者がそのジャンルの住人で、そのジャンル及び住人の特性を理解していて、かつ目的が「儲ける」ことではなくて、そのジャンルのユーザー達の利便性向上、ひいてはそのジャンル自体の盛り上げ、底上げを意図したものである場合、成功することがあります。

とあるテーブルゲームアイテムを扱う業者の方から、そのジャンルのコミュニティサイトを新たに作りたいという依頼があり、その方たちと綿密に何度も打ち合わせを重ねて作り上げたコミュニティサイトは大成功してユーザーからとても感謝され、かつそこに連動したECサイトの売り上げを倍増以上させることに成功しました。

たぶん、目的と手段を誤らなければ、物事は比較的容易なのかもしれません。目標設定が現実を見ていない常軌を逸したものであったり、途中をサボって成功だけを得ようと楽するとなかなか成功は難しいようですね。
よく言われるフレーズです。

こちらを守銭奴のように言われても困るのですが、あくまでも当初見積もりは当初出ていたご希望に対して、なるべく意向に即してなるべく安く見積もったのがその額です。

なので、思いつきで、うっかり忘れてて、または意図的に隠して事前のうちあわせ時と違う仕様をさりげなくねじ込んでこようとしているのは自分です。

それにあわせこちらは誠意を尽くして、できれば元の見積もりの中で上手く処理しようとするのですが、どう頑張ってもそれは無理だ、ということで最低限の追加見積もりを出させてもらってる次第です。


何度も何度も話をしました。それまでに伺った際の交通費、人件費、企画費、資料再作成費等、本来なら全て請求したいくらいです。それをやらないのはひとえに、自分のヒアリングも十分ではなかったのではないか、という反省に基づいてのことです。守銭奴どころか、自分で言うのもなんですが自らをちゃんと省みて、落ち度のある可能性がある部分には自ら譲歩しての結果がそれです。

だから、そのセリフを言いたいのは、実はそちらではなくこちらです。もともとの企画や仕様を、もともとの見積もりで普通にやって、1週間2週間でさくっと手離れさせていただけるのが一番いいんです。

ところが実際は、本来の制作期間=見積額以上を拘束され、変更が発生するとその一部はなかったことになり、ウェブ制作の現場は赤字が基本といってもいいような状況になっています。

これはウェブに限らず、ある程度の裁量の余地のあるなんらかの制作現場においては全て発生していることなのだろうと思います。いやもうほんと、一部の客は恥を知ってほしい。

自分で選んだカレー屋に入ってカレーを頼んで、
これはカレーではない!店主を呼べ!
なんて荒ぶる海原雄山はとてもかっこ悪いですよね。いや、たとえが正確かどうかはわかりませんが。

お金の話は誰とやってもなんらかのしこりを残しちゃうものです。できればお互いにきちんとわきまえて、スムーズに進めたいものですね。
自分としては綿密に打ち合わせをしたつもりだし、打ち合わせで合意した内容を予算とのバランスを見たうえで完璧にトレースしたものを作ったつもりなのに、リリース間近で変更を指示されることがあります。

それはたいてい修正事項として送られてくることが多いのですが、それ違います。ここまで至ってそれを言うのは、単なる

変更依頼

です。

当然追加見積もりを提出するのですが、そういうときのお客様の答えはだいたい何パターンかに別れます。

「え?お金かかるの?じゃあいいや」

これならいいです。これならこのあともスムーズにお話できます。かからないと思うほうがおかしいとは思いますがそんなの飲み込んじゃえば済む話。とりあえず要望を退けることができたってことでよしとします。

たちが悪いのが、

「おまえが満足いくものを作ってないのが悪いんだから無償でやれよ」

これは確信犯です。こちらがどういう反応をするかと言うのを初めからわかっていて、それでもごり押しでなんとかやらせようという魂胆。もうこういう人はまともに相手しないことにしてます。個人の強いところが、お客と揉めるのもなにもかも自己責任でよい、ってことです。

「ここまでに作成したものは全部お渡しするから、手を引かせてください。
今後一切お仕事のお付き合いはお断りします」


と、はっきり言います。こういうところと条件交渉しつつ妥協点を探しても、結局差し引きでマイナスになることが多いので、支払いしてもらえなくても結果得になります。もちろんかかった分の人件費はパアですが、今後も損失を生み出し続けるよりは、その時間で他の案件をやったほうが断然トクです。そして、今後のキャリアに繋がるような売り上げ度外視の旨みがあることも絶対に無いことも経験上わかっているので、初期段階で手を切るのが一番いいと思っています。

理想はそういうところと初めから付き合わないことですが、こういう人たちに限ってこちらがある程度足を突っ込むまではよいお客を演じ、納品間近になったら激変します。

こういう人たちは、業者を転々としながら、その最初だから優しい時期を色んな業者から好意で提供してもらうことで低予算でウェブを維持してることが多いみたいです。

案件を受ける際に、前任者がいたのだけど的な情報があったらもう黄色信号点灯です。どの業界でも頭のおかしい人は確かにいて、それに当たってしまった、という可能性もあるにはあるのですが、ほとんどの場合はやはりその会社や担当者がまずいことが多いです。

その場合、相手の気分を害さない程度のラインを保ちつつ、とにかく根掘り葉掘りその件について聞きます。そのときに相手が全面的に悪かったとばかり言う人は、まず間違いなくその人が悪いです。「なかなか意思の疎通が難しくて・・・」みたいな言い方だと少しはましですが、これも黄色信号は灯ったまま。

担当業者を変えるに至った経緯をきちんと説明してくれる方は、随分ましかもしれません。それでも、困ったら担当業者をすぐ変えちゃう程度の会社であり、担当者であることが多いのですが。


返答のパターンの話からは少しずれますが、その類のやり取りの中でお客様から言われていつもちょっとおかしいなと思うのが、

だって僕らは素人だし、実際に作ってみてもらわないとわからない

というフレーズ。これ、この手のお客様が100%に近いくらい必ず言うセリフです。

わからないのは当たり前だし、だからこそ僕のような業者に頼んでいるのだし、こっちもそれをわかっているから、事前に最大限お互いのイメージを共有すべく手を尽くしてるじゃん!!それを全部ひっくり返しといて言っていいセリフじゃないだろーーー!

腕利きのディレクターの人に言わせればヒアリングが十分でないとお叱りを受けそうな場面ではありますが、十分やったってダメなお客さんもいます。そのお客様の特性を見抜くまで十分にやってないから悪い、といわれれば返す言葉もないですが。

大抵は、作ってもらわないとわからないとかではなくて、グダグダと変更を繰り返しているうちに作り始めてから時間が経ってしまって、偉い人が新たに気に入ったサイトを見つけちゃってそれに寄せて欲しいとかが多いみたいです。

なんらかの商品を買う場合に、一度買ったものを返品なり交換なりするのにはある程度の条件が必要なはずです。それも大量生産の既製品ならその縛りもゆるいのではと思いますが、ウェブサイトはいわばオーダーメイドの服のようなものですね。

その人しか着られないものを既に型紙作成、裁断、縫製まで進んだ段階で、交換したいとか、布地の色を変えたい、とか、やっぱり袖をつけて欲しい、とか、ショート丈だったけど、もう少しロングにしたいとか、そんなん、困るに決まってるでしょ。ましてや返品とか交換とか。

今日も、そんなお客様に悩まされつつ。