2010年に「マリーナベイサンズ」がオープンして以来、世界中から注目を集めているシンガポール。日本からも多くの観光客が押し寄せ、2012年の訪問者数は、10年ぶりに70万人を超える見通しとのこと。
来月には世界最大級の海洋水族館「マリン・ライフ・パーク」に新アトラクションが登場、また2013年初頭には、アジア初の「川」をテーマにした動物園「リバー・サファリ」がオープン予定と、シンガポール人気はますます高まりそうです。
そんなシンガポールがいま力を入れているのがアート。
先日開催されたシンガポール政観主催のシンポジウムでは、シンガポールのアート事情と今後の展望について紹介がありました。
その一つが、広さ6.4ヘクタールの旧英国植民地時代の軍用地跡に9月に誕生した現代アート地区「ギルマン・バラックス」。日本からは、「小山登美夫ギャラリー」をはじめ3つのギャラリーがオープンから開廊しています。そして2013年には、村上隆氏の「カイカイキキギャラリー」もオープンします。
シンガポールは自国の美術だけでなく、東南アジア全体のコレクションを強化してる点が他のアジア諸国にはない特色だと語る小山氏。
また来年1月には、エスト・ウエストオークションが日本のオークション会社として初めて「ファースト・シンガポールセール」を開催します。出品総数約500点、総額6~8億円を見込むこのセールでは、ルノワールの初期の名品「森の若木」を筆頭に、ピカソのセラミック作品、現在の日本のアートシーンを牽引する草間彌生、奈良美智、村上隆の作品も登場します。
世界有数の金融センターがあるシンガポールにおいて、アートは資産運用のひとつの形態としても機能しているようです。