食べ物と乳腺炎は関係ありますか? | WEB助産院 (長野県佐久市 晴れた日の助産院 川口晴美)

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WEB助産院です。

長野県佐久市近郊で、対面での赤ちゃん相談・授乳相談、おっぱいマッサージ(乳房マッサージ、母乳マッサージ)を、承っております。

Q:母乳を授乳中で、6ヶ月の子がいます。

先日、はじめておっぱいを詰まらせてしまって。

頭痛と寒気、悪寒でつらい思いをしました。

まわりの母乳をあげているママ友が乳腺炎に

おびえる気持ちがよーーくわかりました…。


今回お聞きしたいのが乳腺炎と食べ物は関係があるのでしょうか?

これまでつまったことがなくて、好きなものを

食べてました。甘いものもよく食べます。


ネットで調べてみると関係ある、関係ないとする意見が出ていて

どっちが本当なの…?と悩んでいます。

 

 

A:0歳児の子育て中、なかなか外に出て

自分ひとりのペースで息抜きもできなくて…。


甘いものや、ちょっとだけ贅沢なお値段の

コンビニスイーツがストレス解消!

というママも多いと思います♪


わたしもその一人でした。笑



さて、ご相談の件ですが…。

 

 

実は助産師の間でも見解がきっぱりと分かれる案件です。

 

日本では昔から食べ物と母乳は密接な関係があって

脂の多いものを食べると乳腺炎の原因になる、と言われています。

 

 

しかし世界の母乳団体のスタンダードとしては

乳腺炎と食べ物は関係がなく

乳腺炎の原因はおもに吸わせ方に問題がある、という見解を示しています。

 

 

日本の助産師の母乳のエキスパートと言われている方々の中でも

ご自身が日本の団体で学んでいるのか、または海外の団体で学んでいるのかで

発信する内容が異なります。

 

ですのでネット上ではきっぱり反対の意見が存在している、ということになります。

 

 

私が診てきた中で感じているのは

やっぱりクリスマスやお正月時期は乳腺炎が増える傾向はあります。

(あとお誕生日とかね)

 

食べ物もある程度関係しているし、赤ちゃんの吸い方、吸わせ方ももちろん関係もしていて、

ママの体質やそのときに体力によるな、と思っています。

 

産後の女性だけに限らず、

人によって脂質や糖質の代謝は異なります。

 

脂質や糖質の代謝が良い人、というのは

脂っこいもの、洋食、ケーキやお餅などを食べても

ぜんぜん乳腺炎にならないよ、という人もいます^^

 

 

洋菓子はダメだけど、お餅や和菓子は平気、という人もいますし

ケーキも和菓子もお餅もいいけど、てんぷらとかフライがダメ、という方もいます。

 

 

逆に代謝が悪い人というのは

ほんの少しそういったものを食べてしまっただけで

すぐに乳腺炎になってしまう><という人もいます。

 

 

代謝だけではなくて、乳腺の細さ、太さも人によって異なります。

乳腺が細い人は乳腺炎になりやすい傾向があります…。

 

 

また代謝というのはそのときの疲労によっても変わります。

普段は何を食べても平気でも、何かあって疲れているときというのは代謝が落ちるので、

「つまりやすい」と言われている食べ物を少し食べただけで

乳腺炎になってしまうこともあります。

 

 

また赤ちゃんが浅含みですべての乳腺からしっかり母乳を飲んでいなかったり、

授乳時間が空いてしまうと「母乳分泌過多」になってしまって

乳腺炎になってしまうのも事実です。

 

 

ですので一概に食べ物は乳腺炎に関係ある、ないと言えることではなくて

個人の体質やその時の体調によって個人差があるものなのだ、ということなのです。

 

 

 

クリスマス、年末年始と乳腺炎の方が増える傾向を感じていますが、

それはやはり、ママの体の代謝量を超えて、ごちそうを食べる傾向がある、という点や

 

年末年始は帰省することが多く、

移動で疲れがちという点。

 

また、ご主人の実家だとママも気疲れや

気兼ねしてしまって、いつものペースで授乳できないことや

赤ちゃんもいつもと環境が違うことを察してうまく吸えない、という点も、

年末年始の乳腺炎の増加に関係していると思います。

 


 

できればご自身がどんな食べ物をどれくらいの量を食べると詰まってしまうのか

を把握できたうえで、おいしくごちそうを食べられるのが良いと思います。



またもうひとつ、乳腺炎が劇的に増加するのが

ゴールデンウィークから梅雨入り前の時期。


この時期、一気に暑くなるけれど

体がまだ暑さに慣れていなくて疲れやすいことや、


エアコンや扇風機をつかうことも

まだない時期で、


さらに真夏ほど水分をあまり摂らず、

ママの体がやや脱水気味になっていることが

原因かな…と考えています。

 



あくまでもこれはわたしの見解で、

人によってさまざまな意見はあると思うのですけれど…。


食べものだけが原因ではなく、

体質、個人差、そのときの疲労、

授乳のペースや吸わせ方、外気温など、


さまざまな理由が絡み合って

乳腺炎は起きる、というのがわたしの見解です。


何を食べたらつまりやすいのか、

その時の外気温やご自身の体調などをチェックして

何が自分にとって乳腺炎の原因となるのかを

把握しておくことも良いと思います。

 

食べたらやばい…!というものも、

量を控えたり、食べた後にいつもより多めに授乳、搾乳したりしつつ、


おいしくいただいても良いと思います(*´∀`*)


ひとつ確かに言えることは、乳腺炎は早めに気づけば、しこりや発熱、ガッチガチに張ってしまうことを

避けることもできます。

 

こちらの記事に、乳腺炎の症状を書いています。

しこりができておっぱいがガチガチになるのは、

悪化した症状で、


その前に軽度な症状が見られることが多いです。



ご参考になれば…m(_ _)m