過ぎてしまったけど2月22日。
そうニャンニャンニャンの日。
猫の日です。

うちには空汰というキジトラミックスのオトコの子がいます。
推定13歳。

2008年の夏に仔猫のキジトラに出会いました。
前職の服屋さんに迷い込んできた野良。
足元をウロウロ、足にしがみついてきたり、すごい甘えっぷりでした。
営業の邪魔になるし、何度もお店の外に連れ出してはまたお店の中に。
「どうしたの?」と聞いても「ニャー」と掠れたか弱い声で答えるだけ。
仔猫なのに痩せているし、毛並みも悪い。

近所のスーパーに猫缶を買いに行き「どうぞ」と。そしたらムシャムシャと食べた。お腹が空いてて栄養失調だったようでした。

でもどうしよう。。。家は賃貸だしペット不可だし。。。
スタッフ皆に連れて帰れないか聞いたけど、皆やはり事情があって無理とのこと。
このまま、放すとこの子は弱って生きていけないかもしれない。。。

元気になるまでウチで面倒を見てあげようか。それから元気になったら里親を探そう。

そう思って連れて帰った仔猫のキジトラ。

家にバックに入れて電車を3本乗り継ぎ自宅へ。二人でこれからのことをしっかりと相談しました。

やはりこうなります。
仔猫を連れて帰るということは。
もう離れられなくなるということ。

その日の夜から仔猫のキジトラは家族になりました。

病院に通い、栄養失調も治り数日で健康体に。ヤンチャで食いしん坊。
名前はよく食べる=食う から「空汰くうた」と名付けました。

仔猫だった空汰は大人になって
たくさんの時間が過ぎてお爺さんになりました。
13歳。人で言えば70歳くらい。

ずっとずっと食いしん坊だった空汰。
焼き魚を咥えてにげることもよくあったし
時にはステーキを咥えて逃げたことも。
そんな食べることに貪欲な空汰。
食べることが大好きな空汰。

1月の半ばのある日。
自動餌やり機のドライフードが溜まりだしました。
「あれ?珍しく食欲がないな、風邪かな?鼻水も少しでてるし。少したったら元気になるかな?」と軽い気持ちでした。

2日目。ドライフードは溜まる一方。
3日目。全く食べていない。

空汰はいつものベッドでギュッと縮こまっている。何かに耐えているような様子でした。

さすがに食べてなさすぎだし、明らかにしんどそう。
次の日の朝に北須磨動物病院に。

血液と尿を摂って頂き検査。
大の病院嫌いの空汰は「シャー」、「ウーっ」と怖がった。

1時間後に先生からお話しがありました。

「空汰ちゃん、慢性腎臓病です。このままだと数日中には。。。」

「え?」
頭が真っ白になりました。理解ができませんでした。

「すぐに点滴して治療に取り掛かります。入院になります。そうすればある程度回復はするかと。しかし一度弱ってしまった腎臓は元にはもどりません。これからのことは相談しながら空汰ちゃんの気持ちも考え、決めていきましょう」と先生。

空汰を病院に預けて家に一人で帰りました。

涙が溢れて止まらなかった。
空汰がいない世界なんて想像できなかったし、病気に気付いてあげれなかった自分を責めた。

ここ数ヶ月、空汰はよく吐いていた。
猫は吐くことがよくあるし、年老いていくと喉の力がなく、消化器も弱り吐きやすくなる。だから軽くみていた。日常になっていた。
それを悔やんだ。サインだったのに気付いてやれなかった。空汰の気持ちを考えるとやるせなかった。


そして今後の方針が決まった。

病院嫌いの空汰には病院に入院もできないし、通うのもストレスになってしまう。

その結果、自宅で皮下点滴を打ち、平行して食事療法をすることになった。

皮下点滴は毎日行ないます。
首下あたりを摘み、そこに針を刺し10分ほど点滴をします。

病院では「シャー!」と牙を剥くけど
私たちには「シャー」も「ウー」も言わない。大人しく点滴を受けてくれるのですんなりクリア。

あとは食事療法。
腎臓ケアのドライフードを10種類以上買って試したけど、見事に一口も食べない。ブンってします。

ドライフードがダメならウェットフード。これも10種類以上買って、2.3種類のものを舐める程度。しかも温めて指から。

というわけで自分からは何も食べない。

もともとのフードはもちろん、これまで飛びついていた焼き魚やシラスや鰹節なども食べなくなってしまった。

腎臓の働きが悪いことで血液中に毒素がまわり気分が悪いとのこと。
腎臓ケアのフードの味がというより、食欲自体がない。

またみるみる痩せていきました。

このまま食べないでいることは死を意味すること。

空汰は食べたくないのではなくて、食べたいけど食べる気がしない食べれないのだ。と自分に言い聞かせて強制給餌の道を選びました。

毎朝、毎晩 シリンジにウェットフードを入れて食べさせる。嫌がるのを見ていると心が痛むし、これで本当にいいのかって毎回思う。

でも食べさせないと死んでしまう。
この子の命は私たちがどうするかで決まってしまう。

私たちは空汰の命を何が何でも繋いでいきたい。

空汰が寝て、お腹をむけてゴロゴロいう姿がほんとうに愛おしくて、大切に思う。

無理にご飯を食べさせて
本当は嫌なはずなのに
これまでと変わらずゴロゴロ喉を鳴らせて甘えてくれる。

夜中に布団の中にだって入ってきてくれる。

今、こうやってブログを書いている横で
空汰は気持ち良さそうにスースーといびきをかいています。

点滴に食事のこと。
あと動物病院の費用のこと。

いろいろな面で不安だし、大変。
でも、これまで私たちにくれた空汰の優しさだったり愛だったり、幸せは何にも変えられない。

絶対に守ってあげるから。

だから一緒に乗り越えていこう。空汰。

食いしん坊じゃなくなったけど
いたずらはしなくなったけど。
初めて出会った仔猫の時みたい。

一緒に暮らせている幸せ
一緒に生きている時間を大切にしたいと思います。