最近、サンフランシスコの治安がすごく悪いって話をよく聞くよね。ユニオンスクエアなんかからは色んなお店が撤退したり、窃盗が増えたり。確かに市役所の前のフリーウェイに向かう道路は、コロナ後からはホームレスがすごい屯ってて、明らかにやばい雰囲気だしね。

 

でも、かと言って街全体が危険なわけじゃないよ。サンフランシスコにはいろんなエリアがあって、若者が集まるオシャレなところも沢山あるし、自然豊かで落ち着けるエリアもたっくさんある。やっぱりいまだにサンフランシスコは魅力的な街よ。

 

 

って思ってたんだけどさ。先日、主人が仕事の休暇中にいつものようにサンフランシスコにバイクで遊びに行ってたんだけどね。その日は私は仕事で家にいたんだけど、外出先の主人から電話がかかってきて。「今、信じられないことが起こったよ」って。

 

なんでも、サンフランシスコの静かな公園でベンチに座って景色見ながら携帯いじってたら、誰かがベンチの後ろ、駐車場側からにゅっと手を伸ばして、すぐ隣に置いてあったバックパックを掴んで走って逃げて、そのままグルで待ってた車に乗り込んで逃走していっちゃったんですって!

その間、4、5秒で、あっという間の出来事だったらしい。(ちなみに主人はサンフランシスコ生まれで、バリバリ地元民です。)

 

こんな長閑なところ。

 

 

そのバックパックには、600ドルくらいのバイク用ジャケット、財布、そして何故かナイフ(主人の趣味)、私用に買ってくれてた豚毛のヘアブラシ(梳かすだけでサラサラになる魔法のヘアブラシを探し中)などが入ってたそう。

財布の中には、もちろんクレジットカード数枚、ATMカード、健康保険のカード、バイクの登録証、自動車・バイクの保険、免許証、キャッシュ60ドルくらいが入ってたそう。

「信じられない、これからカード会社全部に連絡して全部キャンセルしなきゃ!免許証も再発行!」ってぼやいてた。

財布は普段はポケットに入れてるんだけど、偶然この日はバックパックに入れてあったんですって。アンラッキー。(前日にナイフをポケットに入れてバイクに乗ってたら、ナイフを落としちゃったから、警戒してたそう。)

 

 

ちなみにそのワカモノが逃走した時に、焦っていたのか靴がひとつ脱げたそうで、シンデレラの如く靴を片方残して去っていったらしい。(そしてその靴は警察が持っていった。)

もう本当にあっという間で、しかものライセンスプレートも、死角になってよく見えなかったそう。というか、びっくりして、ライセンスプレートをチェックする余裕はなかったみたい。


 

ちなみに、こういうのでも緊急なのかな〜と思いつつ911に電話したら、ちゃんと警察が来てくれたそう。公園だったので、管轄がパーク・ポリスだったそうで、結構すぐに来てくれたそうよ。

「大抵盗難に遭った人は取り乱してるけど、君は落ち着いてるねえ〜」って言われたそう。「いや、盗まれちゃったのはしょうがないしね〜」って。そのままその警察の人と世間話とかしてたらしい。

 

 

 

へー、やっぱりサンフランシスコは盗難に気をつけなきゃ行けないのね〜〜ってちょっと軽くショック受けてたんだけどさあー。

(ちなみにみんなに治安が警戒されてるサンフランシスコですが、ある同僚がヨーロッパ旅行に行くという話になった時、みんながあの国はスリが危険、あの国は気をつけないと、みたいにバリバリ注意してた。「いつもサンフランシスコを闊歩してるみんながそう言うんだ〜〜」ってコメントしたら、「そりゃそうよ!地元民と観光客は違うから!」って言ってた。)

 

 

 

盗難があって2時間後、サンフランシスコの電話番号から、自宅に電話がかかってきた。ん?と思いつつも、普段通り無視した!(だって自宅にかかってくる電話なんて自動音声のテレマーケティングとか詐欺しかないもん。重要な電話ならメッセージ残すっしょ。)

 

実は同時期に主人の携帯にも電話とテキストが来たらしく(主人はバイク運転中で気づかなかった)、なんと、盗まれたバックパックが家の前に放置されてたよ〜、という内容だった。

 

拾ってくれた人がバックパックの中を探って主人のIDを見つけて、そこから電話番号を探してコンタクトしてくれてた。すごいな、電話番号検索できちゃうんだ。

翌日、その人の家にバックパックを取りに行ってきました。なんでも、その人は州外からの観光客の荷物も拾ったことがあって、郵送してあげたこともあるそうな。最近の治安悪化に心を痛めていて、こうやって手伝いつつ、犯罪者を捕まえたい!と考えてる人たちだった。いい人〜。

 

 

ちなみに、中を確認してみたら、盗まれたものは何もなかったっていうね。ジャケットも、ナイフも、私のブラシも、財布もそのまんま。現金もそのままだった。(ちなみにクレジットカード類は念の為やっぱりキャンセルだけどね。)

 

 

うん、彼らは一体何がしたかったのかねえ?コンピューターやタブレットでも探してた?靴を片方なくしてまで盗んで、目当てのものがなかったから、そのまま捨てた??

 

もしくは、バイク用のジャケットとナイフを見て、「これはヤバい人だから、盗んじゃだめな人だ」って思われた?(カバンを開けてみたら、ヘルズ・エンジェルズのジャケットが入ってたみたいな?)

 

 

ということで、ちょっと不思議な体験でした。