日本人がアメリカでソフトウェアエンジニアとして働きたい場合、可能性としてはH1Bビザ、L1ビザ、あとは結婚や抽選なんかでの別件でのグリーンカードくらいかな。たまーにJ1で働けますとか見るけど、そのへんは詳しくないので割愛。

 

H1Bはハードルが高いんだけど、それに比べればL1は楽。私の周りの仕事してる日本人では、昔の自分含めてL1率高いと思う。

というのは、L1はビザ発行数に上限がないのと、アメリカ国外の関連会社からのトランスファー(転勤)だったら、本人に学歴などの要件がないから。H1Bは基本的に仕事と直結する学位がないとだめだからね、例えば日本の文系専攻だった人が、就職してSEになったって場合はH1Bほぼ無理。物理や数学専攻の場合も怪しいなー。だめなんじゃないかなー。(エンジニアとして12年働いてれば不可能ではないけど、学位なしでH1B取るのは全体の2%くらい。)

 

L1は、アメリカ国外の関連会社に1年以上勤務してれば、それでオッケー。

管理職はL1A、技術職(専門職)ならL1Bだね。AとBではちょっと細かいとこが違うけど、まあ転勤用ビザなのは一緒。

転勤するのは日本の支社からアメリカ本社でもいいし、日本の本社からアメリカの支社でもいい。

こっちにきて楽しいのは、多分日本支社からアメリカ本社かなって思うけど。

 

 

じゃあ今日本に居て将来的にアメリカで働きたい場合どうするのかというと、戦略的に動いて、1年後(以降)にアメリカに送ってくれる会社を探して、そこに入社する。なんなら、面接してる時点で、アメリカで働きたいから向こうに送って欲しい、そうでないなら入社しないと明確にする。ていうか、私はそうした。(もともとヘッドハントされてたんで。)

でないと、単に外資系に入っただけで希望者を全員アメリカに送ってたら、会社も大変よ。ていうか、そんなに日本人いらないでしょ。(まあ海外生活ってのも向き不向きがあるんで、多分皆が皆アメリカに住みたいわけじゃないと思うけど。)

 

 

ちなみに、うちの会社は色んな国にオフィスがあるけど、希望者は誰でも引っ越せるわけじゃないよ。例えばこっちのエンジニアの給料は、東京の同じポジションのエンジニアと比べて2倍なんですって。なので、そもそも雇うときのバジェットが違う。日本で半分の予算で雇えたのに、意味もなく給料2倍に増やしてこっちに呼ぶなんてことしない。

 

ちなみに、インドの給料はこっちの3分の1らしい。数年前に、インドのチームに新しい人が入ったんだけど(うちのチームはインドとアメリカで分散してる)、1ヶ月くらい経ったらなんか居なくなってた。なんでも、入社1ヶ月後に彼女の主人の転勤でイギリスに引っ越したからですって。イギリスにもオフィスはあるけど、彼女はインドのバジェットで雇われたので、より給与水準の高いイギリスでは雇えない、ということで、辞めていただいたそう。

 

以前上司と雑談した時に、当初のバジェット以上に給与を引き上げるには、社内ですでにそれだけの実績があって、給与2倍にする価値があると認められないと無理って言ってた。

で、私が、「もし私が日本に帰国したいって思った時に、日本オフィスで継続して働くには実績が認められないといけないのね。。?」って恐れおののいてたら、「日本のほうが給料安いから、安い場所に行くには無問題!」って言われた!

 

 

今は時差のオーバーラップさえあれば(例えば日本の朝とこっちの夕方とか)、国を跨いだコミュニケーションは色んなツールで問題なく取れるからね、開発メンバーをわざわざ呼び寄せる意味って、それほどあるのかよくわからない。むしろ、24時間の障害対応が出来るように、違うタイムゾーンにエンジニアを分散させておいた方が、ちょっと便利かもしれないしね。

 

私の周りで見るケースは、日本の顧客向けに夜間対応したいから、日本のサポートをアメリカに送るというやつ。日本の顧客は英語サポートは無理だからね。。要は、日本オフィスの方から、本社側に「こっちの都合で日本の社員をそっちに送りたい」ってリクエストしてもらう。私もそれだった。日本オフィスでなにか理由付けができればいいんよ。

ちなみに私の時は、アメリカ本社の技術者と日本オフィスとのコニュニケーションを円滑にするために、とか言って送ってもらった。

ぶっちゃけ、この会社の面接してた時点で「アメリカで働けるのなら入社します」って言って、入社時の契約にも入れてもらって渡米を約束してもらってから入社した。

 

後は、もともと日本オフィスで働いてて実績がある人で(会社的に辞めてもらいたくない人)、例えば配偶者の転勤など、なにか別の理由でアメリカに引っ越すことになって、そのままアメリカオフィスに受け入れられる場合。私の周りはこのケースが多いな。

 

 

あと、私は結局この手は取らなかったけど、すごい例外では、前の前の会社(これも外資系)で、日本のオペレーションはパートナー企業に任せて日本オフィスを縮小するってことになったのよね。で、みんな辞めたり首になったりして、エンジニアは私一人が残った。で、直属の上司もアメリカ本社になったんだけど、まあ日本で最後の一人だったので、新しい体制が安定するまで居てほしい、1年間頑張ってくれれば1年後に本社のチームに移動させてあげる、と言われてた。

でも結局、書面で約束してくれた別の会社に転職しちゃったんだけどねー。

 

なんというか、まあ外資系企業にも色々あって、華やかな有名なとこもあれば、こうやって英語の出来るエンジニアを頑張って確保してた弱小企業もあったのよ。今は知らないけど!

(ちなみに、私のビザをスポンサーしてくれた会社と、今私が務める会社は別ね。)

 

 

私が東京に居た時は、しばらく外資系で働いてると、どこからかリクルーター(ヘッドハンター)が連絡してきて、色々勝手に外資系の仕事を紹介してくれてたんだけどね。彼らと英語で面談すると、そのまま会話を元にレジュメを書いてくれて、面接の日程も調整してくれて、色々便利だった。もしまだそういう人たちがいれば、ちょっと相談してみるとかね。