「シャドウズ」は、1950年代後半から活動を始めた英国のエレキ・インスト・バンドです。
メンバーは、 ハンク・マービン(リード・ギター)
ブルース・ウェルチ(リズム・ギター)
ジェット・ハリス(ベース・ギター)
トニー・ミーハン(ドラムス) の4人です。
この「シャドウズ」実は、英国のプレスリーこと「クリフ・リチャード」のためのバンドとして結成されたのです。
1958年、クリフが放った「ムーブ・イット」が大ヒットして、急遽バック・バンドが必要になったことで作られました。
(クリフ・リチャードについては、次回ブログで紹介しましょう。)
1960年、ジェリー・ローダンのインスト・ナンバー「アパッチ」をカバーするや、英国ヒットチャートに5週間連続第1位にランクインしました。
続いて放った「ワンダフル・ランド」は、これまた8週間連続でチャート第1位になりました。
1961年、ドラムスがブライアン・ベネットに交代、翌年放った「ダンス・オン」と「フット・タッパー」の2曲も、英国ヒットチャート第1位になったのでした。
「シャドウズ」は英国のヒットチャートに69曲を送り込みました。
クリフのバック・バンドとして35曲、シャドウズ独自で34曲でした。
米国の雄「ヴェンチャーズ」と対峙する存在でもあったのです。
「シャドウズ」を語るうえで避けて通れないのが、リード・ギターの「ハンク・マービン」です。
ハンクは、1941年、英国ニューキャッスルで生まれました。
彼のストラトキャスターから奏でられるその透明感のあるトーンは、聴く者を魅了して止みません。
とにかく美しい、正確無比なピッキングとフィンガリングは、抜群の安定感を誇ります。
ため息が出るようなプレイというのは、彼のプレイを言うのかも知れません。
代表曲のひとつに「春がいっぱい」というのがあります。
日本の春を変えたと言われるほどの名演奏なのですが、何故か本国英国では一度も聴衆の前で演奏されたことがないそうです。
この曲は、ロンドンのバーで黒人シンガーが唄っていたものをハンクがインストで演奏したもので、作曲者はドラムスのブライアン・ベネットでした。
ピンク・フロイドの「デヴィッド・ギルモア」、そして、クィーンの「ブライアン・メイ」は、「ハンク・マービン」のギター・プレイを観てギタリストを志した、という話は有名です。
「ハンク・マービン」を日本のギタリストで例えると、そうですね・・・、
「井上宗孝&シャープ・ファイブ」でリード・ギターを務めていた「三根信宏」さんがピッタリでしょうか。
澄んだ音、正確なピッキング・テクニックも似ていますよね。
ちなみに、三根さんは「ディック三根」さんの息子さんです。
「ジョン・レノン」が言っていたそうです。
”シャドウズが出てくるまで、英国には聴く価値のある音楽は無かった。”
つづく