「ハーブ・アルパート」は、1935年、米国ロス出身のトランペッターであり、「ティファナ・ブラス」のリーダーです。
そもそも彼は、作曲家としての才能が豊かで、ルー・アドラーと共作した「ワンダフル・ワールド」が、サム・クックのボーカルで大ヒットしました。
しかし、彼は、演奏家としてのスタイルにこだわり続け、「ドア・アルパート」の名でトランペットを吹いていました。
1962年、彼は、親友の「ジェリー・モス」と二人で100ドルずつ出し合い、「A&Mレコード」を設立、「カーペンターズ」や、「キャロル・キング」、「セルジオメンデス」、「スティング」等を世に送り出しました。
ちなみに、「A]はアルパート、「M]はモスの頭文字です。
さて、ニッポン放送の深夜番組、「オールナイト・ニッポン」をご存知でしょうか。
そのテーマソングに使われていたのが、「ビター・スィート・サンバ」というインストロメンタル・ナンバーです。
この曲、1967年からずっとテーマソングとして使われてきました。
おそらくこれが日本一有名な、ハーブ・アルパートと「ティファナ・ブラス」の曲ではないかと思います。
「ビター・スィート・サンバ」は、1965年リリースの大ヒットアルバム、「Whipped Cream & Other Delights」に収録されていました。
このアルバム、ホイップ・クリームのウェディング・ドレスを身にまとった女性のジャケットデザインが大変有名になりました。
写真のモデルは、「ドロレス・エリクソン」という人で、このジャケットの発売で、全米でその名を知られることになったのです。
「ティファナ・ブラス」は、メキシコのマリアッチとポップスとジャズを融合させた、「アメリアッチ」という独特のサウンドを奏でるグループでした。
米国のロックに少し飽きてきた音楽ファンの心を掴み、ある時期、ティファナ・ブラスのアルバムがことごとくヒットチャートにランクインするという、「ブラス・フィーバー」が起こりました。
1968年、バート・バカラックとハル・デビットの名作曲コンビによる、「ジス・ガイ・イン・ラヴ・ウイズ・ユー」を発表。
アルパートがボーカルを務めている珍しい作品ですが、初めてのシングル・チャート第1位に輝きました。
1979年、ディスコサウンドを大胆に取り入れたアルバム、「Rise(ライズ)」をリリース。
フュージョン・インストロメンタルのこのアルバムが、全米チャートを2週間第1位の大ヒットとなりました。
「ティファナ・ブラス」を結成する直前に出した、「マルタ島の砂」という楽曲があります。
これは、ドイツ人の「ベルト・ケンプフェルト」が作曲した曲ですが、アルパートのイージーリスニング風なアレンジで、1970年頃でしたか、日本でもかなりヒットしましたね。
余談ですが、マルタ島は、イタリア地中海の真ん中に浮かぶ小さな島で、犬のマルチーズの発祥の地として知られています。
で、この「マルタ島の砂」の原題は、「The Maltese Melody」といって、何処にも「砂」は出てきません。
マルタ島へ行ったらお土産は「砂ね!」というのは、どうやら日本人だけのようですね。
つづく
