カナダでの事業展開を目指すすべての方へ、まずは心から敬意を表します。
海外でのビジネス挑戦は、誰にとっても大きな一歩。
そしてその第一歩となるのが「どの形でカナダに進出するか?」という選択です。
この記事では、カナダで事業を行う際の二つの代表的な形態、
支店(エクストラプロビンシャル)と子会社(サブシディアリ)の違いについて、法律面・税務面・運営面の観点から、わかりやすく解説していきます。
まずは基本を押さえよう:支店と子会社とは?
支店(extra-provincial)とは?
支店は、あくまで本社の一部がカナダで事業を行う形です。
つまり、カナダ国内での活動があっても、法人そのものは日本の会社。
法的にも会計的にも、カナダで別の会社を作るわけではありません。
支店として活動するには、カナダの各州で「州外法人登録(Extra-Provincial Registration)」という手続きが必要です。
これは「カナダでの活動を許可しますよ」という届け出のようなもので、法人を新しく設立するわけではありません。
支店が必要になるのはこんなとき:
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カナダにオフィスを構える
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従業員を雇う
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実際に現地でサービスや商品を提供する
※ただし、登録の要否は州によって判断が異なるため、事前確認が重要です。
子会社(Subsidiary)とは?
一方、子会社はカナダの法律に基づいて新たに設立する法人です。
日本の親会社が100%出資していても、法的には完全に別の存在。
カナダに新しい会社を立ち上げるイメージです。
子会社は、連邦法人として全国展開を目指す形でも、特定の州法人として設立することも可能です。
どちらにせよ、実際に事業を行う州ごとに登録手続きが必要になります。
子会社の特徴:
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独立した法人格を持つ
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税務上・法務上、親会社とは切り離された存在
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利益や負債はカナダ子会社が個別に管理
支店と子会社、どう違うの?
ここが最も重要なポイントです。
このように、支店は「親会社の延長線上」、子会社は「完全に別の法人」という考え方が基本です。
税金の違い:利益の使い方と送金に要注意
支店の税務ポイント:
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カナダ国内で得た利益のみに課税(国内源泉所得)。
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通常の法人税に加え、**支店利益税(Branch Tax)**が課される可能性あり。
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税率:通常25%、ただし日加租税条約で5%に軽減。
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初期の50万ドルまでは免除されるため、スタート時のキャッシュフローに有利。
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利益を日本に送らなくても、再投資しなければ支店利益税が課税されることも。
子会社の税務ポイント:
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全世界所得に対して課税(カナダ居住法人扱い)。
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日本の親会社に配当を出すときに源泉徴収税が発生(5%または15%)。
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実際に配当を出すまでは税金が発生しない。
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損失は子会社内で繰り越し可能だが、親会社と相殺できない。
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カナダで税制優遇を受けられる可能性も(条件あり)。
カナダ進出の第一歩は「正しい形」を選ぶことから
カナダでのビジネス展開は、大きなチャンスと可能性に満ちています。
そのスタート地点である「支店」か「子会社」かの選択は、単なる形式の違いではなく、将来の成長や安定性を左右する重要な判断です。
事業のステージ、資金計画、経営方針に合わせて、どちらの形が最適かをじっくり検討してみてください。
そして、必要に応じて専門家の意見を取り入れながら、自社にとって無理のない形でカナダでの挑戦をスタートさせましょう。
未来の成長に向けたこの選択が、あなたのビジネスにとって大きな一歩となりますように。
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