俺は主人公よりライバルとか悪党のほうが好きだ。
周囲に馴染めないまま、どこか浮いた青春を送りながら底辺を這いつくばり劣等感に苛まれて
原因不明の奇病を患い最新医学と気合いで立ち直り、
不妊が多い親族の集まりに誰か子供生まれたのが面白くなくて、
「もう来ねえ」と吐き捨てては速攻で子供をつくってみせて冷水を浴びせてきた、
どっちかというとミュータントみてえな生い立ちだからな。
多発性硬化症に限らず自己免疫疾患というのは遺伝的な要因で発症するのもそれなりにいるそうだ。
膠原病が複数いた家系の俺は紛れもなくそれなんだが、俺だけが貧乏クジをひいたというわけでもあるまい。
考え方によっては、【比較的楽な】多発性硬化症を20代の頃に引いておいて片足ぐらいで済んでる方が幸せかもよ。いち抜けた、だ。
正体がわかってりゃこんなもんそれほど怖くもねえし、かりに俺が今のとこ健康ってだけの兄弟の立場だったら不安で仕方ないね。
4~50代とか人生仕上げの頃にブチ壊しの大ブレーキだろ。
せいぜい今を謳歌するがいいやとも思う反面、もし病気で人生ぶち壊されたらそれは可哀想なことだと思うよ。
自分の子供がなんか変な病気なるかもしれねえし、俺も合併症とかダブルで変な病気なったらいやだから謙虚なこと言っておこう。