奈良発20時の京都行近鉄特急は4両編成でした。近鉄特急というのは(申し出が無ければ)乗客を1両にかためるようにして特急券を発売するので、「お客のもっとも少ない車両で」と窓口で要望したにもかかわらず、(いちばん混む)4号車だった事に少し不満を持ったのです。普段なら係員が気を利かせ2号車か3号車で発券するわけですから。(乗車して理由がわかった)
近鉄奈良駅構内の土産物屋さんはすべて閉まっていました。駅構内に人影がほとんどありません。見送りに来ていただいた奈良在住20年という方も「はじめての光景だ、こんなにヒトが居ない駅は。」とおっしゃいます。私も初めてです。とても近鉄主要駅の20時前の雰囲気ではありません。大型連休中であることを含めて、本当に異様な雰囲気。もっとも奈良駅に限った事ではなく、京都駅や大阪駅も同様です。
私の座席は4号車。4号車は通常最も混む車両。しかし4号車にはなんと誰も乗車していませんでした。それどころか、近鉄奈良駅出発した時点で私の他にはサラリーマン風の男性がひとり3号車に居るだけです。つまり、4両編成の近鉄特急に乗客が2人。運転者と車掌と乗客2人。つまり回送のような状態だった。(終点京都まで乗客は私を含めて2人だけ・・・。)
私は途中駅の西大寺(普段、ここから乗客が増える)から誰も乗ってこない状況を確かめた上で一計を案じたのです。こんな回送さながらの列車に乗れる機会などめったにありません。ウイルス騒動が無くなると、一生経験できないでしょう。ですから携帯電話で知人にかけたのです。もちろんデッキで出ず、堂々と車内で電話をしました。車両には他に誰も乗ってないので、迷惑かかりませんから。
不気味な車内で電話をしていると、京都までの35分はすぐに過ぎました。京都駅構内、近鉄奈良駅よりは若干ヒトが多かったのですが、普段の21時前の10分の1くらいだった。こんな状態が続くと世の中どうなってしまうのでしょうか。回送さながらの近鉄特急に乗車し何か恐ろしいものを感じました。