虫歯で死亡する事ってあるの? | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

先日、間違った糖質制限から上腕の擦過傷(さっかしょう)が原因で蜂窩織炎(ほうかしきえん)→敗血症になったヒトの事を書きました。

 

蜂窩織炎(ほうかしきえん)というのは口腔領域にも見られます。頬部や口底部に炎症が波及すると生じるのです。柔らかい組織で炎症が広がった時の病態ですから。そして放置すると死亡する事もあるのです。重篤な急性感染症というイメージです。高熱等の全身症状、激しい疼痛と腫脹がみられます。

 

 

虫歯を放置し拍動性の自発痛(脈打つような痛み)が激しくなり夜も寝られない状態になっても蜂窩織炎に移行する事はありません。全部性化膿性歯髄炎(ぜんぶせいかのうせいしずいえん)という状態なのですが、あくまで歯の中だけの病態ですから、それ以上進行しないわけなのです。

 

しかし歯科治療として神経を抜いてしまうと話は別。神経を抜いた歯牙にクラウン(=銀歯)を被せた状態で歯痛が生じると歯根が感染経路となり、炎症は顎骨へと波及するのです。すると、それが周囲の軟組織に波及した場合に蜂窩織炎→敗血症→死亡となる恐れもあるわけです。(歯科医も死亡診断書を書く事ができます)

 

もっとも抗菌剤が普及した今、死亡例は限りなくゼロに近いはず。しかし50年前までは実際にあったそうです。虫歯よりも怖いのは安易に歯の神経を抜く事。さらに酷いのは神経を抜く処置をズサンな方法で行い放置する事。患者には歯牙の中が見えませんから、確認も難しいのです。ゆえに私は安易に歯科医に近づかない事が大切だと考えています。