歯科救急 | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

この時期、歯科医院が10連休されるところも見受けられます。そんな時、都市部では休日歯科診療所、地方では当番歯科医が急患の対応にあたります。特に前者にあっては応急処置にとどまるわけですから患者としては不満もあるはずです。

 

年末年始、お盆、ゴールデン・ウイーク。歯科医院がお休みの時に休日歯科診療所等の飛び込まれるヒトの中には(不満なんて言っていられない)深刻な病態があります。それは虫歯の痛みにとどまらず(単なる虫歯なら鎮痛剤を処方してお引き取りいただいても問題ない)歯痛由来で全身症状が出ている症例です。

 

これは本当の「急患」。虫歯菌等が歯槽骨(歯を支えている骨)や頬部、あるいは口腔底(舌の下のある柔らかい部位)でにまで(細菌)活動性を増している状態です。こうなると歯科治療をする事すらできません。先ず、暴れている細菌をしずめる事が肝要なのです

 

局所(口腔内)の疼痛、所属リンパ節の腫脹や圧痛、全身症状(発熱、倦怠感)を抑えるべく抗菌剤を持続的に大量投与します。内服では無理な場合点滴。そして病院歯科での歯科入院として加療が必要になる場合もあります。炎症が波及し続け敗血症になると危険ですから。

 

 

どうして、このような重症歯性感染症が生じるのか・・・。それはプライマリーで診た安易な歯科医(の選択)に問題があるのです。

 

「神経を抜きます」・・・。患者がこれに安易に同意し、保険診療とはいえ自己負担額が高いクラウン(銀歯)を入れる事が上記のような悲惨な事象につながります。そしてなぜか通常の歯科医院が休みの時に暴れる(症状が悪化する)事が多いのです。何かあっても歯科受診出来ないという精神的なストレスで口腔内の状況が悪化しているのかもしれません。(免疫力の低下)

 

いずれにしても安易に神経を抜き杜撰な手抜き処置をされた場合、前述したような悲惨な重症感染症の引き金のなる恐れがあります。安易な神経除去(抜髄といいます)は抜歯よりも危険。これは常に感じています。ですから歯科医療にあっても治療法を選択するのは歯科医ではありません。患者です。歯科医の大きな役割としては、患者が正しい治療方針を選択しやすいように情報提供する事。これが最も大切だと私は考えます。

 

歯科医行為の大半は不可逆的な侵襲を伴います(1度削った歯は元に戻らない。1度神経を取った歯は脆くなり歯性感染症の温床になる。歯を抜くと咬合機能が相当低下する)ですから歯科医療を受ける時には患者が慎重になる必要があるのです