60代初対面男性で「足の指が腐って切断を迫られたが、アロエを塗って回復。切断せずに済んだ」というヒトがいらっしゃいました。切断を免れたのはアロエにお陰、と力説されます。私を外部業者と思って勘違いされているようで、壊死と壊疽の病態について詳しく説明されます。(もちろん黙って聞いていました。少し間違っていましたが、指摘しません)
アロエ、アロエと効果を強調されていましたが、私はアロエの代わりにワセリンを用いても同じではないか、思ったのです。そして「足の指が腐った」原因を知りたかったのですが、聞けるような雰囲気ではありませんでした。仕方がないので、「アロエは凄いですな」と話しを合わしておいたのです。
アロエにしてもワセリンにしても患部に塗布すると湿潤療法になります。患部をジュクジュクさす事で、患部からある種の物質が出て、それが傷を回復さすのです。ですから傷を乾かしたり消毒したりすると治癒は遅延するわけなのです。実際私自身も経験済みです。(下腿部の重症低温熱傷で)
アロエ、いかがでしょうか。巷では万病に効くような言い方がされていますが、私自身アロエで酷い目にあったことがあるのです。中学時代、水虫に塗り続けていました。はじめは効果があり痒みもなくなりました。同時に患部に発赤(ほっせき)、腫脹(しゅちょう)が出てきました。靴を履くのも困難になり皮膚科医に相談。すると、「水虫が原因でなく、アロエの刺激ででている症状」との診断だったのです
それ以来、私にはアロエが合わない体質だと考えています。ですから使用しません。そして件の60代男性も「アロエの薬理作用が患部を回復させたのではなく、アロエの湿潤作用で創傷の治癒を促進させた」と私は考えました
夏井先生の御著書に名言があります。「傷が治った時に乾燥している。だから乾燥さすと傷が治ると勘違いしているのだ」と。ワセリンでもアロエでも早い回復のためには傷をジュクジュクさせた状態を持続するのが正しいと感じています。消毒なんてもっての他だと言い切れますね。