歯科医療を受ける事について否定派の私です。しかし例外もあるのです。歯を抜くと二度と元通りの口腔内に戻りません。ですから教科書的な抜歯の適応症にあっては疑問な部分も多々あります。
ところが高齢者や精神疾患があるヒトの口腔内で動揺歯がある場合、積極的な抜歯の適応症だと私は考えています。実際に病棟の主治医や看護師さんも抜歯を強く求められます。これは命にかかわるからです
就寝中に歯が勝手に抜けて誤嚥する危険があるからです。実はこれが高齢者等の口腔内でもっともコワい事象なのです。
いつも書いていますが、私の歯科診療にあっては未熟で自信などまったくありません。しかし、このような場合には積極的に抜きます。依頼箋がなくても見つければ抜歯の準備をします。中には局所麻酔などせずピンセットで取ると抜ける場合もあります。これは楽なのですが、逆に考えると誤嚥の危険が迫っていたわけでもあるのです。
お正月、餅をノドにつめる事故がしばしば報道されます。餅の場合、掃除機を口腔に突っ込んでやると助かる可能性が高いと聞いています。歯や入れ歯を誤嚥した場合、粘着性が無い小さいものですから餅のようにはいけないかもしれません。
やはり見つければ即抜歯、という方針が正しいと考えます。患者さんから抜く事を)強烈な拒否にあう場合もあるので、術前にあまり詳しく説明などしない方が良い事もあるのです。