酷試(歯科医師国家試験)対策は難しい | we85のブログ

we85のブログ

糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

口腔悪性腫瘍(癌腫)が他の悪性腫瘍と大きく異なる点として好発年齢の問題があります。一般的な悪性腫瘍(癌)では50歳台以降が多くなるのに対して口腔癌では若年者も多いのです



全癌の1~2㌫にすぎない口腔癌ですが、好発年齢には二峰性があると言う点が特異的だといえます(決して高齢者だけが罹患する癌ではない、ということ)。そして癌の組織型は多くが「扁平上皮癌」というもので、これには特異性はありません。



しかし歯科医師国家試験問題を解く場合、極めて稀な組織が出てきます。歯学部付属病院病理部で年間10例も診断されないような組織の癌(癌にかぎらず他の疾患も)を丁寧に理解しておかないと問題が解けないのです。(病理組織や画像をみて疾病を考えさす問題が多く出ます)



ですから、歯科医師国家試験が終われば忘れてしまうような疾患や稀なタイプの癌を真剣に学ぶ必要があります。すると学生さんは重箱の隅をつつくような知識ばかり吸収し、大原則(たとえば上記に書いた、口腔癌の組織型は9割以上が扁平上皮癌という事実)を答えられないのです



熱心に講義をし、学生さんも真剣に学んでいても全体像をつかめないというのは辛い事です。対策として、正しい事でも相手が混乱するような事は話してはいけない、感じました。


口腔癌の好発年齢に二峰性がある、なんて言うと「高齢者には少ない」と誤解されます。稀な悪性腫瘍の組織を解説すると、それが多いと誤解されてしまいます。学生さんを混乱させず歯科医師国家試験合格に結びつけるには内容の伝え方にもコツがいると改めて感じました。