大半の成人が歯周疾患に罹患しています。(ですから、表題の「歯周病が無い」という表現は厳密には変かもしれません。「出血するほどの進行した歯周病が無い」とした方が正確。)
若年者で(明らかに歯周病がない。歯周精密検査をしても正常な歯周ポケットの値)歯肉からの出血がみられる原因としては外傷や血液疾患等です。後者の疑いがある場合には慎重な対応が必要となってきます
これは歯周病年齢のヒトにも共通します。血液疾患等(血小板が減少し血が止まりにくくなる場合には)歯肉全体からの出血です。それに対して歯周疾患の場合、原因歯があります。原因歯の部位からのみの局所の出血がみられるのです。白血病や特発性血小板減少性紫斑病といった重篤な疾病が隠れている場合、容易に判断できます。
肝機能が非常に悪化した場合に理論上、歯肉出血の恐れもあります。(この場合、歯肉からの出血がいきなりみられるのではなく、例えば髭を剃った後に血がとまりにくいといったような兆候があります。)いずれにしても歯周病での出血とは全く違います
抜歯した後に血が止まらない、という事で重篤な疾病が発見される事もあります。口腔内が血液で満たされ酷い場合には歯科診療台が「血の海」になる事もあります。(圧迫止血だけでは止血が難しく薬剤を用いる必要もでてきます)顎骨や副鼻腔の病変が隠れている可能性も・・
注意を要する歯肉出血は症状が非常に激しいので、歯周病での出血との鑑別は容易です。歯科外来で相談を受けるような出血は100㌫近くが歯肉由来で心配ないものです