【歯科の話・診療室より⑤歯周疾患】 | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

歯科の2代疾患は虫歯と歯周疾患です。40歳以上の8割が歯周疾患に罹患しているとされています。


歯周炎ははじめ歯肉からの出血ではじまりますが、酷くなると歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かして歯が抜けてしまいます。ですから高齢者では入れ歯のヒトが多いわけです。


歯周組織の炎症は全身疾患と関連しています。糖質制限者にとって興味深いのが糖尿病です。歯周炎が悪化すると糖尿病が悪化し、糖尿病が悪化すると歯周炎が悪化します。ですから最近、歯周炎は糖尿病合併症と言われています。


糖尿病患者では糖質制限に加えて歯周炎に治療が重要です。糖尿人だけでなく、健康維持増進を目指すヒトにおいても歯周炎予防治療は免疫力を高めます。ですから積極的にすすめる事が肝要です。


歯周病治療は歯科医院で歯科医が行うだけでは不十分です。一番大切なのは自らが行う歯と歯肉の間の細菌を歯ブラシで清掃する事です。(詳しくは2月18日の【歯科の話はじめに】をご参照ください)


歯科医が行うのはセルフケアをしやすくするための処置です。又セルフケアで取れない汚れ(細菌、細菌産生物質等)をとる事です。セルフケアなしでの歯周炎治療はありえません。原因は細菌です。それも空気に触れない場所にしか住めないタイプの組織破壊力が強い細菌です。(だから歯を支える骨まで溶かす)これを食後毎回こまめに取る事が大切なのです。


上手にブラッシングできていると、はじめは血と膿が混じった真っ赤なモノが大量に出てきます。そして完全に出すと歯肉が締まった感覚となります。ここから、この状態を維持する事に着眼するのです。


糖質制限は歯周炎予防治療の強力な助けとなります。糖質制限をしていると「副作用の無い天然の抗菌剤を服用している」のと同じ状態になっているからです。


歯周炎予防治療に特別な事はほとんど要りません。セルフケアと糖質制限だけで十分です。それで高齢になっても自分の歯で物が食べられます。


但し、高齢では、歯が残存するがゆえに口腔内が不潔のなる場合もあります。無歯顎(総入れ歯)の方が清潔な口腔状態を維持できるので、誤嚥性肺炎の防止にもなります。ですから歯が残存している高齢者ではセルフケアが特に重要なのです。