京都の上七軒に昭和40年代から続くお料理屋さんがあります。カウンター7席だけの店を平日16時から数時間の営業です。花街のヒトや隠居老人を中心にそこそこ流行っています。
メニューは刺身、焼き物、すっぽん、蟹、はまぐりという感じで7~8種類くらいしかありません。しかし素材はどれも最高の物です。ウニを注文すると粒がしっかりして光っています。マグロには甘いアブラが乗っています。
私はここのブリが好きですお品書きにはいつも「ブリの照り焼き」とあります。糖質制限をしているので、ブリを塩焼きで注文します。これがカウンター割烹に良いところです。冷蔵庫にある大きなブリをピカピカの包丁で大きく切り、串を打って目の前でじっくり焼かれます
「マグロはアブラに多いところ3切れ、鯛はお腹の所を切ってください」こんな感じでの注文です。まさに割烹の威力発揮なのです。
老夫婦二人で、自宅兼店舗での営業です。カウンターは見事な白木の一枚板です。しかし「割烹」というイメージの豪華さは皆無。どちらかというと見た目は大衆的です。着物を着た派手な姉さんも立派な付き出しもありません。
器は豪華です。ひとつひとつが良い物です。そしてトイレが清潔で最新の物を置いています。見えないところに、さりげなくお金をかけているのです。
80歳の主人は時に白衣も着ずにカウンターに立ちます。全然格式ばらず、自宅でくつろぎながら旨い物をいただく感覚ですから、カウンターに座るととても落ち着きます。これが良いのです。
糖質制限中ですから、照り焼き同様に出し巻き砂糖抜き、煮魚砂糖控えめという注文です。もちろん熱燗も。普段外食では制約が無いとはいえません。このような場所で好きな食材を自由にいただけるのはまさに「割烹」の醍醐味です。
メニューに値段表記はありませんが、非常に良心的価格です。価格表記のある店よりも格安なのです。この記事を書いたのは、件の店が「割烹」を標榜しているの思いだしたからです。糖質制限していても存分に外食を楽しめる場所もあるわけです。
今週末には久しぶりに伺い好きな肴で飲んできます。サーヴィスで出てくる糖質たっぷりの自家製佃煮を断るのに苦慮しますが。