2018年8月28日に横浜地裁へ民事再生法の適用を申請していた、マルチウ産業(株)(TDB企業コード:200279197、資本金5000万円、神奈川県横浜市西区平沼1-2-23、代表小川陽清氏)は、1月4日に同地裁より再生手続き廃止決定および保全管理命令を受けた。今後は破産手続きに移行する予定。
保全管理人は橘川真二弁護士(神奈川県横浜市中区不老町1-1-5、きつかわ法律事務所、電話045-681-8400)。
当社は、1968年(昭和43年)5月に設立されたサンダルや靴の製造販売業者。ビーチサンダルやリゾートサンダルなどのサンダル類を主力に、スニーカーやケミカルシューズ等の靴類を外注で製造し、全国約120社の販売代理店を経由して販売。バンダイやサンリオなどの人気キャラクターをデザインした当社商品は人気が高く、国内の大手スーパーやアパレルチェーン店の大半に当社製品が納入され、2002年3月期の年売上高は約54億1600万円を計上していた。
しかし、その後は少子化や廉価な同業他社製品に押され、売り上げはジリ貧で推移する一方、人件費や外注費の高騰で収益性が悪化。2014年には中小企業再生支援協議会による支援のもと、経営立て直しに向け動き出したものの、売り上げの減少に歯止めがきかず、2017年3月期の年売上高はピーク時半減以下となる約19億8600万円にまで減少。海外生産委託先の見直しや人件費等の削減等も奏功せず、厳しい資金繰りが続くなか、2018年8月28日に横浜地裁へ民事再生法の適用を申請し、31日に再生手続き開始決定を受けていた。
その後、再生計画案に盛り込んだスポンサー候補との事業譲渡契約の確約を期限内に得られず、今回の措置となった。今後、当社は破産に移行するが、約1カ月の保全管理期間中に当該スポンサー候補への事業譲渡ないし事業用資産の譲渡について協議を進め、事業承継を図る。
負債は、申請時点で債権者約114名に対し約27億762万円。