信用調査会社の帝国データバンクによると、神奈川県横浜市に本拠を置く履物製造の「マルチウ産業株式会社」は、2018年8月28日付で横浜地方裁判所へ民事再生法の適用を申請したことが明らかになりました。

1968年に設立の同社は、サンダルやビーチサンダルを中心とする履物の製造・卸を主力に事業を展開し、特にキャラクターブランドとのライセンス契約による子供向けキャラクターサンダルが人気を得ていました。

しかし、少子化や競争激化の影響で売上が減少すると、人件費をはじめとする各種経費の増加で採算が悪化したため、自力での再建を断念し今回の措置に至ったようです。

負債総額は約27億円の見通しです。

http://www.tdb-news.com/bankrupt_detail.html?ID=65274&SID=3a5db44fbc71ef770ca9aaf76277e2b2

出典
業 種    サンダル・靴の製造販売
商 号    マルチウ産業株式会社
     <マルチウサンギョウ>
企業コード    200279197
所在地    神奈川県
倒産態様    再生手続き廃止決定、保全管理命令受ける
「神奈川」 既報、2018年8月28日に横浜地裁へ民事再生法の適用を申請していた、マルチウ産業(株)(資本金5000万円、横浜市西区平沼1-2-23、代表小川陽清氏)は、1月4日に同地裁より再生手続き廃止決定および保全管理命令を受けた。今後は破産手続きに移行する予定。

 保全管理人は橘川真二弁護士(横浜市中区不老町1-1-5、きつかわ法律事務所、電話045-681-8400)。

 当社は、1968年(昭和43年)5月に設立されたサンダルや靴の製造販売業者。ビーチサンダルやリゾートサンダルなどのサンダル類を主力に、スニーカーやケミカルシューズ等の靴類を外注で製造し、全国約120社の販売代理店を経由して販売。バンダイやサンリオなどの人気キャラクターをデザインした当社商品は人気が高く、国内の大手スーパーやアパレルチェーン店の大半に当社製品が納入され、2002年3月期の年売上高は約54億1600万円を計上していた。

 しかし、その後は少子化や廉価な同業他社製品に押され、売り上げはジリ貧で推移する一方、人件費や外注費の高騰で収益性が悪化。2014年には中小企業再生支援協議会による支援のもと、経営立て直しに向け動き出したものの、売り上げの減少に歯止めがきかず、2017年3月期の年売上高はピーク時半減以下となる約19億8600万円にまで減少。海外生産委託先の見直しや人件費等の削減等も奏功せず、厳しい資金繰りが続くなか、2018年8月28日に横浜地裁へ民事再生法の適用を申請し、31日に再生手続き開始決定を受けていた。

 その後、再生計画案に盛り込んだスポンサー候補との事業譲渡契約の確約を期限内に得られず、今回の措置となった。今後、当社は破産に移行するが、約1カ月の保全管理期間中に当該スポンサー候補への事業譲渡ないし事業用資産の譲渡について協議を進め、事業承継を図る。

 負債は、申請時点で債権者約114名に対し約27億762万円。