高分子化学の進歩によって、天然の歯そっくりの合成樹脂や
セラミックスの開発、並びにこれらの材料と生体である我々の
歯との間の接着が可能になってきています。



[充填]

充填(詰める治療)はとてもやりがいのある治療です。
それは、治療を受ける側にとっても、行う側にとっても、
うれしい点が多いからなのです。

受ける側にとってのうれしい点は沢山あります。
・早く済む
   多くの場合は1回の来院で済みます。
   治す部分が大きい場合は、工場(技工所)へ発注します
   ので2回。
・削る部分が少ない
   麻酔をしなくて済むことも多い。
・仕上りがとてもきれい

行う側にとってのうれしい点は、治療を受けた人に喜んで
もらえる事・・・・・ここに尽きます。
ムシ歯の黒い穴や、大きく擦り減った根元や、怪我で折れて
しまった歯が、まるで何も無かったかの様な姿に戻った時、
大いに慶びを感じます。

その為には、いつも勉強をし、使う薬品や術式を研究し、
何種類もの薬品や材料を買い揃え、毎日毎日工夫を重ねて
いるのです。


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[部分入れ歯・パーシャルデンチャー(部分床義歯・局部床義歯)]

たとえ1本であっても歯を失うと言うことは大変なショック
です。
まして多数の歯を失った場合は、「咬みにくくなった」
「見た目を何とかして欲しい」など不安といらだちを持つ方が
多いと思います。

義歯(入れ歯)と言うのは、そう言う場合のすべてのケースに
対応可能です。
保険診療で治療可能な義歯も、保険外診療で対応可能な特殊な
義歯もあります。

但し、ふつう奥歯なら1~2本、前歯なら1~4本失った場合
は、ブリッジ<別項参照>で治療する事が多いと思います。



[義歯とブリッジとの相違]
なぜ義歯よりもブリッジによる治療が好まれるかと言いますと、
義歯は取り外し式なのに対して、ブリッジは固定式だからです。

義歯は、「義歯床」と言う人工の歯をのせる部分が必要です
ので、ブリッジと比較して少し大きくなりがちです。
また、義歯の場合、前後の歯に「クラスプ」と言う針金状の
物をかけなければなりません。

一方、ブリッジは、元の歯があった状態・形態に近く、かつ
固定式のため、患者さんに選択してもらった場合、支持する
人が多い治療方法です。
もともと両側の歯に冠がかぶっている場合にはその冠を
はずして、つなぎなおせば良いので優れた治療方法です。
しかし、両側の歯が何の処置もしていない場合、ブリッジを
作製するためには、歯を削って冠をかぶせなくてはなりません。
これが、ブリッジの欠点です。

何の処置もしていない天然の歯をムシ歯でもないのに削るのが
嫌な場合の治療方法は、
 ・インプラント<簡単な説明は下記に><詳細は別項に>
 ・義歯
のいずれかになります。

奥歯を多数失った場合にはブリッジ治療ができませんので、
やはり、インプラントまたは義歯が適応となります。
前歯を多数失った場合にも、技術上ブリッジが作製できても、
保険適応にならないことがあります。
このようなケースでも義歯は保険適応となりますので、重宝
する治療技術と言えましょう。

保険外の治療の場合には、ブリッジやインプラント・義歯を
組み合わせて、最も咬みやすく、審美的で、残っている歯に
負担をかけない方法を選択するようになります。
保険外の義歯には、
 ・特殊な機能をもたせた義歯
   (コーヌスやアタッチメントデンチャー)
 ・一般的な形態であるが薄く小さく作ることができる義歯
などがあります。



[より良い治療のために]
 ・失った歯の本数と場所
 ・残っている歯の状態
 ・治療にかけられるご予算
 ・審美的要求度
 ・治療にかけられる期間(通院回数・通院期間)
などの条件によって設計は千差万別です。

主治医の先生とよく相談して納得の上で、治療されることを
お勧めします。


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[インプラント]
インプラントとは、歯を失った部分の骨の中に、チタン製の
人工歯根を埋め込む方法です。
治療費用が1本あたり25~45万円、治療期間が3~6か月
かかります。(例外:抜歯即時埋入法)

多数の歯を失ったケースでは高額な治療費と、より長い治療
期間が必要になります。

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[顎(がく)関節症って?]


表1 <準備中>のチェック項目を見てください。
この項目に一つでも当てはまることがあれば、あなたは顎関節
症の疑いがあります。
たとえ現在は当てはまらなくても、過去にこのような症状を
経験したことがあれば、現在も顎関節症の疑いがあります。

このように、顎の関節に直接問題が生じることを
「顎関節症(TMD:Temporomandibular disorders)」
と呼んでいます。
顎関節症は、他に
「頭蓋下顎機能障害(CMD:Craniomandibular disorders)」
と呼ばれたり、国際頭痛学会では、
「口腔顔面痛(Orofacial pain)」
の一つに分類されています。
顎の動きは関節だけではなく、その周囲と協調しているので、
他の部位にも症状が出ることがあります。
そこで、表2 <準備中>を見て下さい。
表1 に当てはまる人は、こちらでも当てはまることが多いと
思いますが、表1 に当てはまらないけれど表2には当てはまる
人は多くいるはずです。
その方にも、この章を読む価値があると思います。


<著作権はWDSCが有しています>  <つづく