愛想無しガール+ひねくれボーイ xxxI thought nothing and he neglect xxx -25ページ目

愛想無しガール+ひねくれボーイ xxxI thought nothing and he neglect xxx

みっじかーい小説やらポエムやらネコ噺を並べてます。
コンセプト、思いつき。
虚構と事実のあいだを行ったり来たりしてる話が殆んど。
苦笑いの練習にでもご活用ください。楽しんでもらえたら、棚ぼたです。

 何を思ったのか美術の成績2のヤツが必死に絵を描いてました。椅子に座り、キャンバス越しに見えるは、花瓶に挿した向日葵です。本人はベレー帽を被り、入り込んでます。こいつカタチから入るヤツです。
「急にどした?」
「描きたい衝動が走った。気づいたら筆持ってた。」
 明らかに買いたての絵の具、パレット、筆、そして題材。
「その口ぶりが許されるのは天才だけだからな!」
 行程が色づけに入ってはいるものの、全体の何割までが仕上がったのかさっぱり分からない。とりあえず成績2は妥当だったんだなぁと先生の分析力に感心しながら、そいつの背後で絵を見ていた。
「何描いてんの?」
「向日葵」
「だよな」
「どう見ても、だろ?」
「立体感ないな」
「それはあれだ、花が正面向いてるからだ」
「横に向いててもおんなじだろ」
「やってないからわかんねーじゃん」
「やってみろよ」
「機会があったらな」
「いやいや、今いま!今こそ」
「だめ」
 ヤツは女みたいな否定の仕方をしながら描き続けた。
「だめなの!向日葵は太陽の方に向いて花が咲くんだから」
「咲くから何?」
「…これ見てる人が太陽にならないじゃん」
 ちょっと口ごもっていた。
 要はあれだ。この絵を気になる女の子に渡して、君は太陽だと言いたいってことか。
「落ち込んでるから励ましたい」
 優しいヤツめ。でも下手くそだ。でもでも良いヤツだ。
「逆に励まされそうな気がしなくもない」
「えっ」
 絵の下手さに、な。
「これ見たら笑顔になれるって意味」
「マジか。よし」
 黙々と描き進めていく。
 本当は笑顔というか爆笑するって言いたかったけど、それはそれで良いと思う。
 その純な気持ちは伝わるし、伝えてくれるさ、その向日葵が。
 だってその向日葵、オマエみたいだから。