愛想無しガール+ひねくれボーイ xxxI thought nothing and he neglect xxx -22ページ目

愛想無しガール+ひねくれボーイ xxxI thought nothing and he neglect xxx

みっじかーい小説やらポエムやらネコ噺を並べてます。
コンセプト、思いつき。
虚構と事実のあいだを行ったり来たりしてる話が殆んど。
苦笑いの練習にでもご活用ください。楽しんでもらえたら、棚ぼたです。

秋か…。思い出すなぁ。

真夜中になると、音楽室に女の霊が出るという噂があった。
只でさえ部屋の壁に並べられた音楽家の肖像画が怖さを演出しているはずなのに、なぜ増幅させる必要があるのか。音楽室のバカヤロー。
秋になり、文化祭の準備で学校に泊まる機会があった。夜の学校にいる。それだけでワクワクする。クラスメイトと修学旅行みたいだと盛り上がる。暗い教室に月明かりが差し込んで、眼前が紺碧色になって美しかった。ざわつく煌めき。
非日常に浸っていても、トイレには行きたくなるもので、そういう時に限って友達は眠っているもので。でも他のクラスの生徒も結構泊まり組が多いこともあって、それほど不安は襲ってこない。
ペイントされた段ボールや大きく広げられた紙を避けながら廊下を歩く。1組が見えてきた。その向かいがトイレだ。そういえば、この廊下の先には音楽室がある。いや、こっちが先だ。
そしてトイレの出入口の扉を開けたら、音楽室がある方から別のクラスの女友達が歩いてきた。
「あっ」
「びっくりした、何やってんの」
「トイレ。お前こそ何してんの?」
「え、誰にも言わないでよー」
「おう」
「音楽室にね、ちょっとね」
「何で?もしかして肝試し?」
「は?」
「知らないの?夜の12時になったら女の霊が出るって」
「えっそうなの?見たことないけどなぁ」
「なに、夜音楽室によく行ってるわけ?」
「うん。12時でしょ、いるいる私。あのね、12時ちょうどに音楽室で願い事をすると、それが叶うんだって」
真夜中の女の正体は…
「お前かよ」
乙女心の執念で、何度か学校にこっそり忍び込んで音楽室に行っていたという。
「窃盗団に入れんじゃねーの、そのスキル」
「かなー」
「笑い事じゃないから」
それ以降、目撃談もなくなったので、噂は自然と消えました。
だって、あいつ今度は昼の12時に音楽室に行くようになったから。
どうやらあのおまじないは夜じゃなくて昼だったらしい。
あいつ、バカだな。かわいいやつだけど。

これ、秋の思い出。