愛想無しガール+ひねくれボーイ xxxI thought nothing and he neglect xxx -12ページ目

愛想無しガール+ひねくれボーイ xxxI thought nothing and he neglect xxx

みっじかーい小説やらポエムやらネコ噺を並べてます。
コンセプト、思いつき。
虚構と事実のあいだを行ったり来たりしてる話が殆んど。
苦笑いの練習にでもご活用ください。楽しんでもらえたら、棚ぼたです。

 公園にある平均台に腰掛けて橙色の光を浴びていたら、何だか悲しくなってしまった。ひとりぼっちは苦にならないけど、ひとりぼっちは時に急激な悲壮感に襲われる。
 他人の感情を優先させて悩みも吐き出さないでいたら、閉鎖的になってしまった。それが孤独の源だと分析はできている。
 いまアタシは寄っ掛かりたい。隣にガッチリした肩があればなぁ。後ろに大きな背中があればなぁ。素直になれる場所がほしい。
 突然、砂利の音と影を感じた。平均台の上を歩いてアタシに近付いてくる。正体は近所に住む顔見知りの小学生の男の子だった。根掘り聞きもせず、その場にしゃがんで、微笑みながらアタシの頭をヨシヨシしてきた。嬉しい。でも、
「…なんで子供なの~?」
と溢してしまった。こんな人と恋人になれたらいいのになぁと思うけど、せめてあと10年早く生まれてきてほしかった。
 そのままイイ男になって、イイ娘に巡りあうんだろうね。
 結局支えてくれる男はいない。やっぱりひとりぼっちだわ。
 だけど今日のあの一瞬には感謝しなきゃね。ありがと、ぼく。


 人に優しくしなさい。
 落ち込んでいる人には安心させてあげなさい。大切な人ならなおさらだ。
 おとうさんにぼくはそう育てられた。
 実際、仲良しだった友達が遠くに行ってしまうと知って公園で泣いていたぼくをおとうさんはずっとそばで見守ってくれて、ぼくの頭をなでてくれた。言葉はなかったけど、全部が温かく感じてホッとしたんだ。夕陽のおかげもあったかもしれない。それで友達とのサヨナラも受け入れられるようになった。
 だから、おとうさんの教えを守ろうと思った。
 ちょうどそういう機会があったんだけど、
「なんで子供なの?」って子供にはなぐさめられたくなかったみたいで、ごめんねと思った。ぼく、おねえさんに嫌われたかな?
 早く大人になりたいよ。