おはようございます。
中村天風著、叡智のひびき(講談社)より。

~不平や不満を口にする事を恥ずかしい事だと気がつく様になったら 少なくとも自己統御(とうぎょ、統(す)べおさめること。まとめ支配すること)が出来て来た証拠である~

不平や不満を口にする悪習慣は、人にいたずらに煩悶(はんもん、わずらいもだえること)や苦悩を心に多く感ぜしめるだけで、それ以上、人生に、価値ある収穫を招来しません。
そして、不平不満の帰結するところは、知らず識らずの間に完全な自己統御ができなくなるという遺憾なことになります。

自己統御が完全にできないとしたら、それはあたかも船の操縦法を知らずして、荒海に乗り出したと同様で、幸福とか成功とかまたは繁栄とか健康などという、人間の当然獲得できうることを、自己のものにすることができなくなります。
自己統御は、理想的人生の建設に何よりも肝心なことです。

自己統御ができない根本的原因はといえば、結局は心が積極的でないからです。
潜在意識を浄化して、消極的な心を一掃しましょう。

不平や不満が、口から万一出たら、それを、従来のごとく、身勝手、身びいきで共鳴的に考えないで、直ちに、それを恥ずかしいことだと、強く反省するという習慣をつくることです。
そして恒に真理に則した、尊貴な人生に生きるよう、心掛けましょう。