FXの取引画面を横目で見ていたら、ドル円が154円ラインをズドーンと突き抜けました。何があったのかと見てみたら、米3月の小売売上高が予想を上回ってドル買いが加速したようです。

 

ここのことろ鈴木財務大臣がしきりに口先介入していますが、死守ラインが近づいてきていると思われ、さて実弾介入をするのでしょうか?

 

前回政府が為替介入(ドル売り円買い)をしたのは2022/9/22。岸田首相がニューヨークを訪問中に1ドル=145円台まで円安が進行し、この時は2兆8,382億円分のドル売り円買いを行っています。

 

その結果一時5円近く円高に振れましたが、2週間程度で再び145円台まで下落したため、再度2022/10/21と2022/10/24に計6兆3,499億円分行っています。日付と金額は財務省HPの「外国為替平衡操作の実施状況」です。

 

(さらにその前に介入を行ったのは2011/10/31~11/4、2011/8/4、2011/3/18、2010/9/15で、これらはいずれもドル買い円売りでした。この頃は円高で製造業が苦しんでいたんですよね。)

 

逃げ水のように遠くなってきたアメリカの金利引き下げ。年内に1回あるかどうか、指標によっては引き上げる可能性すら出てきた感じです。日米金利差が広がるとさらなる円安に進むので、ここでドル売り円買いをしても効果は少なく無駄に虎の子のドルを手放すだけになってしまいそうです。

 

無策のままでは足元を見られてしまうとはいえ、仮に155円で介入して5円程度円高になっても状況はほとんど変わらず、輸入物価の上昇は続きます。円安対策がますます欠かせません。