金価格が連日史上最高値を更新し、私が純金積立で購入した金もすでに買値の2倍を超えてきました。

 

金を売却した場合の税金は譲渡所得として総合課税されるので、給料とか年金とかの額によって税率は変わってきますが、譲渡益から譲渡所得の特別控除50万円が差し引かれるので、買値がいくらであろうとも毎年の売却額が50万円以内であれば税金はかかりません。

 

金を買い始めたときは、株に比べれば価格変動は緩やかだから資産の安定性に役立つなと思っていた程度でした。しかし、このような勢いで上昇し、かつ今後も上昇が見込めそうとなると話は変わります。年金に上乗せするつもりで毎年50万円ずつ売却しても、10年以上にわたって家計を助けてくれることが期待できそうです。

 

では、なぜこれほど金価格が上がっているのでしょうか?

 

ニュースでは、中国をはじめ新興国の中央銀行が金を買っているからとか、シリコンバレーバンクの破綻を見たアメリカの個人投資家が金の現物を買っているから(昨年からコストコやウォルマートが金地金の販売を始めた)など、ドルへの不信感が根底にあるとの解説です。

 

地政学リスというと、ウクライナとかイスラエル、北朝鮮、台湾海峡などの言葉が浮かびますが、そうしたニュース解説で注意深く触れられて「いない」のは、日本の国債リスクです。日銀がマイナス金利を解除してから、金の上昇が一段と鮮明になったように見えます。

 

日本の国債発行残高は1000兆円を超えており、金利が3%になったら国債の利払いだけで30兆円になります。一方で税収は70兆円程度にすぎません。個人に例えるのはあまり適切ではないかもしれませんが、年収700万円のサラリーマンが1億円の住宅ローンを抱え、毎年金利だけで300万円支払い、かつ修繕費でローン残高は着実に増えていくような感じですかね。

 

この問題に対して警鐘を鳴らしているのはもっぱら藤巻健史氏で、氏の見解には異論もいろいろあるようですが、何かあったときに「それにまともに目を向けなかったのは日本人だけ」と海外から笑われないよう、このことも肝に銘じて資産運用しようと思います。