病院から連絡が来て数日後、予定より早く検査結果を聞きに行った。
いつもの病院なんだけど、明らかに違う所に見えた。
歩いてる姿はおかしくないか。
受付で話している顔は引きつっていないか。
その時はそう思う余裕なんてなく、どこかふわふわしている感じだった。
待合室で待っている時、いつもは長く感じる時間だったけど、この時はこのまま呼ばれない方がいいと思ってた。
呼ばれると、現実を突きつけられるから。
そうは思っていても順番は来る。
呼ばれて、中待合室。
ドキドキが止まらない。
キョロキョロと行動があやしい。
呼ばれて、診察室。
うわっ
入りたくない!
帰りたい!
いつもより、数倍遅い歩き方で中に入って着席する。
担当医が挨拶がてら、最近の調子とかを聞いてきた。
そして、一呼吸後に話し始めた。
「それで検査の結果なんですけど
胃がんで間違いないです。
残念ながら、早期ではなく進行がんでした。
早い方がいいと思って連絡しました。」
この日まで、怖いからあんまり色々な情報を見ないでおいた。
予備知識が無いとは言え、”進行がん”という言葉で体験したことのない絶望感が襲ってきた。
何も言えない。
何も考えれない。
でも・・・
これが現実。
逃れようのない現実。
結果聞いたからだと思うけど、診察室入るまでのドキドキがすーっとなくなっていった。
明確には分からないけど、自分の中で”開き直り”みたいな感覚があったのかもしれない。
すっと担当医の顔を見ていると、担当医が言った。
「まだまだ若いからね。
頑張って治療していきましょう。」
その瞬間、ちょっとの光が見えた気がした。
もう進むしかない。
自覚症状がないし、定期健診も受けてた。
自分では気を付けていたはずなのに。
これでダメだったら、どうすればよかったんだ?
そうだ、まだそんなに進んでいる訳はない。
そんなに簡単に重くなるはずがない。
だから、治るに決まっている。
って勝手に思い込むことにした。