さよなら安倍政権【何が問題なの?森友学園・安倍晋三の目的/憲法改正】国有地の私物化/忖度の意味 | 和み雪 降る夜 

和み雪 降る夜 

「民主主義」と「愛国心」を考えるブログ
腐った政治家のせいにするのは止めよう。
無責任な国民こそが、日本の有害因子なのだから。

森友学園問題、何が問題なの?

忖度とは何か?

 

 連日、ニュースで話題の森友学園において「忖度(そんたく)」という聞きなれない言葉が飛び交っている。忖度(そんたく)とは、どういう意味なのか?これは一般に使われる言葉ではなく、主に政治用語で、「自分の出世のために、権力者の意を推し量って行動すること」を意味する。テレビなどで一般乱用されているが、本来の使い方を間違えている。慮る(おもんばかる)という日本語も同じ意味であるが、背景に出世のためという目的が潜む場合、忖度(そんたく)という用語を使う。政治を語る上で、理解しておくと便利な言葉である。国有地の値引きについても、この忖度(そんたく)があったのではないか?とあちこちで指摘されている。

 権力者が出すサインを見落とさないように細心の目配りをするのが「出来る官僚」と言われる。特に、局長・次官のポストなど、大臣直下地位になると、首相や大臣の意向を推し量れなければ、出世できない。そのため公務員は、ある程度の出世をすると、首相官邸を見て仕事をするようになる。首相が細かな指示を出さなくても、官僚は動く。首相や大臣を慮る(おもんばかる)のだ。これが忖度(そんたく)である。

 

 今回の森友学園で言えば、役人が勝手に国有地を値引きできるわけがないので、首相や大臣クラス(閣僚)からの指示、または忖度(そんたく)があったと考えるのが妥当であろう。表沙汰にできない案件や個人的な要件であれば、籠池氏の秘書に直接、電話することも十分考えられる。


 大きく報道されないが、森友学園の保護者に対して、憲法改正に賛同するよう求める動きがあった。同幼稚園の保護者たちに対して、憲法改正への賛同を募るチラシが配布されていたのだ。安倍首相にとって、憲法改正が祖父の代からの「祈願」であるのは、あまりに有名な話であるが、森友学園を特例扱いにしたのは、安倍政権の思惑(憲法改正の賛同者を増やすこと)もあったと考えるのが自然だろう。役人が忖度(そんたく)する意向は、何も金銭メリットだけではない。金だけが政治家の利益と考えると、肝心な点を見逃してしまう。

 

 国有地の売買の値引きには、財務省の迫田理財局長(当時)が絡んでいるため、迫田氏が忖度(そんたく)して動く相手は、大臣の麻生太郎しかいない。このことからも、この件には麻生太郎が関わっていることが分かる。そして、南スーダンの日報が隠されたように、財務省の書類が隠された。しかも、残土処理にかかわった下請け会社の社長が自殺した。口封じに消されたのではないのか?

 政治家が絡む大きな事件では、しばしば人が死ぬ。政治家や著名人が児童買春していたとされる、プチエンジェル事件では関係者や記者が殺された。原発問題でも山のように、人が殺されている。どうみても不審死と思われる事件ですら、捜査班すら立ち上がらずに、簡単に、事故死や自殺などで片付けられる。こういう場合、政治フィクサーと呼ばれる人たちが絡んでいる。政治フィクサーは、大物政治家の弱み類を握り、いざとなったら弱みをちらつかせて、彼らを始末するのである。あるいは、彼らのために関係者や周辺を始末する。ヤクザと何も変わらない。

 

 しかし、証拠を隠滅しても済まされない。国有地は、国民みんなの財産なので、「安くした理由」を安倍政権が証明できなければ、贈賄罪や国有地の私的利用が疑われても仕方がない。政権維持は不可能だ。国有地を利用して、私腹を肥やすようなことは、絶対にあってはならないからだ。国家財産の私物化・軽視は、国賊(国に害を与える人)と批判されてもおかしくないような大スキャンダルである。

 

 森友問題の贈賄疑惑において、証拠を隠滅し、証拠がなければ大丈夫と思ってる人は、考え方が逆転してしまっている。本来、潔白を証明するのは政府側である。政府がこれを隠して、むしろ開き直ってしまって、証明することすら努力しないことに根幹の問題がある。

 

 残念なことに、政治家がいつも正しいわけではない。むしろ、嘘つくことが政治家の仕事にある。今回、森友学園と安倍首相とのかかわりにおいて、自民党の二階氏が「総理と籠池氏を一緒にするな」と発言したらしいが、”嘘つくこと”においては、政治家(安倍首相)の方が、むしろ本職・プロなのは、自明の理である。嘘を上手につけなければ、政治家になれない。したがって、「総理と籠池氏を一緒にするな」という発言は、まるで政治家が正直者であるかのような幻想を抱かせており、国民に対する脅迫だということが分かるだろう。

 

 注意したいのは、政治家は正しく立派だ、という、ある種の思い込みだ。政治家だけでなく、芸能人や有名人、社長や資産家や高学歴などに対しても、崇拝思想(幻想)を抱かせる。経歴や地位や財産などを持つ者に対して、無条件に尊敬し信じる傾向がある人々がいる。その傾向がある人は、主に、気の弱い人、自尊心の低い人、学歴コンプレックスを持つ人などが陥りやすいと言われるが、こういうフィルターを持ちやすい人は、物事の判断が鈍り、嘘つき者を信じてしまうのだ。思い当たるタイプの人は、気をつけたほうがいい。

 

 詐欺師や、政治家が主にターゲットに狙うのは、そういう気の弱い層だ。自分で考えた意見を持てる賢い層より、他人の意見に乗っかりやすい層を、ターゲットや支持者に選びたがる。二階氏の「総理と籠池氏を一緒にするな」という、一種のバイアスをかけた発言も、権力崇拝(幻想)を伴った脅迫的発言である。他人の意見に乗っかりやすい層が騙される。

 

 冷静に考えれば、”地位がある者は潔白だ”とは、一体どんな理屈なのか?と、あまりの荒唐無稽ぶりに笑ってしまう。だが、政治家の意見に無条件で乗っかりやすい層は「ふんふん、なるほど、政治家さんが言うなら、そのとおりだろう」と、何も考えずに安易に乗っかってしまうのだ。人の意見に乗っかっているだけで「自分で考えたつもりになれる」からだ。気の弱い層が持つ一種の自己保身なのだろうが、彼らは常に権力者に利用されている。このカラクリを強く指摘しておきたい。


 ところで、自衛隊も国有地と同じように「国民の財産」である認識を持っている人が、どれだけいるだろうか?自衛隊のトレーニングや教育には、膨大な税金が使われるため「自衛隊は国家財産」であり、本来、国民を守るために使われねばならない。今回、森友学園から国民の目をそらすように、南スーダン派兵の自衛隊を引っ込めた点は、絶対に見逃してはならない。ご存知の通り、政府の本音は”駆けつけ警護の実績を作りたいだけ”である。日本政府は、対南スーダン武器禁輸制裁に反対(放棄)した。その当時からも、政府は南スーダンの平和維持など全く考えていないのではないか?と指摘されていたが、今回の自衛隊撤退と合わせて考えてみれば、この疑惑を裏付けたと言える。一見、あまり関係ない二つの事件に見えるが、ここには重要な共通点がある。つまり、自衛隊撤退の問題も、森友学園の問題も、根本問題は「国家財産の私物化」であることだ。このことが恐ろしいのは「国家財産を私物化」は、「国民の権利を奪う政策」を示唆するからである。

 

 「国家財産を私物化」するような政権は、国民の幸福のためではなく、国民から奪うことを中心に考える。例えば、カジノ法案では国民の貯金を狙っている。共謀罪では国民の自由を狙っている。そして憲法改正では国民の権利を狙っている。これらが「国民の皆様のため」と言いつつ、実は「一部の国民から奪うことが目的」であることは、今回の森友学園の「国家財産の私物化」からも、見事に証明されているのである。

 

 政治は国民のためにあらねばならない。右派も左派も関係ない真理である。これが理解できないような安倍政権は、もう、まもなく終わるだろう。なぜなら、今後も同じような「ズル」を働き続けることは、誰の目から見ても明らかだから、である。

 

(さよなら安倍政権 by 雪華天)

※この記事は転載自由です。ただし著作権は放棄しません。

 

参考画像

日本会議の研究で有名な菅野氏が、今回、公開した書類。安倍夫人から預かった寄付金を入金する際の振り込み控え。安倍晋三→匿名→森友学園 と書き換えた過程が見て取れる。これに証拠能力が無いという芸能人類がいるが、それは嘘である。もし裁判になれば、十分に「その人の証言を裏付ける証拠」となることは、法律の専門家なら、誰でも知っている。

 

次回は、23日の籠池氏の証人喚問についての持論を述べる。