きもの着付とお料理教室wayoriのたにぐち順子です。
3ヶ月前、呉服屋さんに3点お直しをお願いしておりました。
①24年前に誂えた八寸名古屋の仕立て直し(右)
②私の小学校入学式に母が着たピンクの着物の左袖の付替え(左上)
③17,8年前に三越で誂えた着物の袖丈を1尺4寸から1尺3寸へ(左下)
①の時間が掛かりようやく出来上がり、昨日、取りに
①は、胴に巻く二巻目の前の部分のかがりが解けていました。
大好きな帯で何度も締めているので、全て解き、元の状態に
仕立て直しをお願いしていたのです。
3ヶ月も待ったのに、持ち帰ることが出来たのは、なんと1点
申し訳ないですのですが、あまり呉服屋さん・和裁士さんを
信用していません。
素晴らしい番頭さんや和裁士さんも存じ上げています
しかし、それぞれの常識が客の私には非常識に思う点が多々あります。
着物に関するあらゆることが分業制です。
それぞれが、「自分のことしか知らない」こと、普通です
なんでもまかり通る業界です。
本当のプロ意識・技術を持っている方は一握りです。
着物を着る方も同じで、着る方は「プロ」ばかりではありません。
一般の方からお仕事で着物を必要とする方などが大半です。
着物のことは呉服屋さんにお任せしていれば安心と信じ込んでいます。
私は、着付講師をしています。
単に着付を教えるだけの「分業制」の一部に収まりたくはありません。
非常にプロ意識・美意識は高く持っているつもりです。
着付けを習いに来る方々は着付講師だったら着物全般を知っていて
当然と思っています。
期待に応えられるだけの知識・美意識・裏事情を勉強しています。
ですから、相手がプロなら容赦しません。
怖いですか~
偉そうに思われるかもしれませんが、プロと言えども最初から
技術が高く、何でも物事を分かっている方はいません。
叱られたり、やり直しさせられたりしながら経験を積み、
本当のプロへと成長します。
みなさんのお陰で成長するのです
私も同じでした。
講師や着付師に成り立ての頃は、毎回ドキドキしてました。
何事もなくホッと胸をなでおろす日もあれば、
「順子先生、ちょっといいかしら」と先輩に呼ばれることもありました。
この経験があるからこそ、今の私がいます。
やり直しの2点は①と②です。
①は仕立て方が間違っていました。
八寸名古屋ですが、手の部分は芯なしで全てかがるようにお願いしました。
もともとの仕立てがそうなので、今更、松葉仕立てにはしません。
20年以上愛用している帯ですから、くっきりと二つ折りの跡がついています。
このことは何度も確認し、間違えないように伝票に「名古屋仕立て」と明記、
代金も支払っておりました。
(松葉と全かがりの仕立ては手間賃が違います)
呉服屋さんが「名古屋仕立て」と和裁士に言ったのでしょうかね
八寸の松葉仕立てでも「名古屋仕立て」と呼ぶところはあります。
紛らわしいね
もし、和裁士が八寸だから「松葉仕立てね」と思ったとしても、
くっきりと二つ折りの跡があります。
プロなら確認しないとね
解いた和裁士と縫った和裁士はきっと違うと思います。
解いた方がそのまま仕立てるならこの間違いは起らなかったかも。
解いた後に、呉服屋から電話があり、
「和裁士が洗いに出した方がいいですよ。と言ってるので」と言われ、
追加料金を支払って、解き→洗い→仕立てとなりました。
一度、洗い(和裁士さんのお仕事ではありません)に出して、
仕立てにまわしたときには、別の方にいったのね。
呉服屋さんは工務店と同じように思っているので、
それぞれに、その都度、正確に指示を出さなければいけないし、
客に収めるときには物を確認しなければダメだと、いつも思っています。
和裁士さんも洗いやさんも客とは直接話すことはほぼなくて
自分の仕事をするだけです。
②は表から着物より濃い糸が見えていました。
きせをかけるので、普通は糸は見えません。
見えているのは、身八口に近いところの一部でした。
普通の方なら見過ごすと思います。
元々の糸も綺麗に取れていないし、あまりにも雑でした。
出来れば、右袖と同じ色糸を使って欲しいけど、そこまでは言いません。
和裁士さんだって、糸の在庫を持つのは嫌でしょうから、出来るだけ、
手持ちの糸の中から近い色を選びたいのもわかります。
右袖の糸は、仮に見えても目立たない色なのですが、
今回の左袖の糸は濃い~色で、少しでも見えたらとっても目立ちます。
そんな「目立つ色でも使っちゃえ」と思うくらいの方だから、
雑な仕上がりなのかな~
みなさんは、呉服屋さんから受取るときはどうされていますか
呉服屋さんが畳紙を開いて、さっと確認するだけではないでしょうか
私は、着物や帯についている帯封を外し、
きちんと自分の目で確認しています
こうすることで、呉服屋さんからは嫌われますが、
私自身は知識を得ています。
それが、生徒の皆さんのお役にたてれば本望です
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