1. 巨大な「抹茶プリン」の正体
見てください、この見事な円墳。 新緑に包まれたその姿は、まるで誰かが飛鳥の平原にそっと置き忘れた「巨大な抹茶プリン」のようであります。あるいは、地底の巨大な亀が甲羅を干している最中なのかもしれません。
このなだらかな斜面を眺めていると、つい「ここをソリで滑ったらさぞかし気持ちよかろう」などという不敬な考えが頭をよぎりますが、そこは大人ですから、グッとこらえて静かにシャッターを切りました。
2. 地下1300年の賑やかなひそひそ話
この平和極まりない芝生のすぐ下には、あの有名な「飛鳥美人」たちが眠っているわけです。 色鮮やかなプリーツスカートを履いた彼女たちは、1300年もの間、この暗闇の中で何を話していたのでしょうか。
「今日の上の人間は、随分と熱心にスマホを眺めているわね」 「あら、あのベンチでぼんやりしている人、また欠伸(あくび)をしたわよ」
そんな風に、我々現代人の滑稽な姿を肴に、地下で果てしない女子会を繰り広げているのではないか。そう思うと、この古墳がただの歴史的遺物ではなく、急に「賑やかなお隣さん」のように感じられてくるから不思議なものです。
3. ベンチという名の「聖域」
写真の手前に写っている、この無骨な木のベンチ。 ここに座ってぼんやりと古墳を眺めていると、時間の流れが「分」や「秒」ではなく、「世紀」という単位でゆっくりと解けていくような感覚に陥ります。
風が葉を揺らす音を聞きながら、何をするでもなく、ただそこに居る。 それは、かつてこの地を治めた王たちにも許されなかった、現代の我々にだけ与えられた贅沢な「余白」なのかもしれません。
