10月30日
今月も明日で最終
日に日に来年の足音が大きくなりますね
受験生ガンバレ
突然ですが、
この器の形から、ある漢字ができました。
それは何という字でしょう。
この器は、青銅製。銅を鋳型に流し込んで作られました。
奈良国立博物館にある青銅器館に展示されているもののひとつです。
春秋後期(B.C.6世紀)ということですので、
いまから2500年あまり前につくられたものです。
青銅器としては、比較的新しい部類に入ります。
先ほどの答えは、
豆
象形。ふたがついた、長い足のある器の形にかたどり、「たかつき」の意を表す。
借りて「まめ」の意に用いる。
古くは「イチクチソイチ」なんて、覚えたひともいるかもしれない「豆」という字、
こんな器からできていたのですね
知らなかった
言われてみれば、たしかに、豆という字に見えるよねー
奈良国立博物館の「なら仏像館」に付属した青銅器館には、
古いものでは3500年以上前のものから、重さ60キロを超える巨大なものまで、いろいろな青銅器が展示されています。
入り口を入ると、こんな器がむかえてくれます。
商末周初期(B.C.11~10世紀)の「ゆう」という蓋のついた酒つぼだそうです。
こいつはなんだ?フクロウかしらん?と思ったら、「ミミズク」らしい。
この器の蓋の裏と底には、銘文が刻まれています。
青銅器に刻まれた銘文を「金文」というそうです。
甲骨文字から発達したもので、漢字の原形です。
この器がつくられた時代名、案内表示に「商」末と書いてあるのですが、
「殷」といったほうがなじみがありますよね。
中学生のみなさんは、歴史の始めあたりで中国文明を勉強したとき、
「殷」という名前がちらっと出てきたのではないかと思います。
中国の王朝をざっくりおさらいしておくと(中学校の勉強で必要レベル)、
殷→周(春秋・戦国含む)→秦→漢(前後)→魏・呉・蜀(三国)→→南北朝→隋→唐→→宋→元→明→清→中華民国→中華人民共和国
となります。
黄河、甲骨文字、青銅器ってのが、
中国文明の暗記ポイントでしたよね
金文が書かれている青銅器の展示はあまり多くないのですが、
これは拓本がついていてわかりやすい。
「方鼎」という足のついた器です。
「鼎(かなえ)」というと、「鼎の軽重を問う」という故事成語を思い浮かべません?
・・・って、知っている中学生はすくないでしょうかねー
高校生も知らないかも
まー、実際にこの言葉が使われているのを見かけたことは、ほとんどないもんね。
あ、ちなみに、「かなえのけいちょうをとう」と読みます。
「かるおも」でも、「けいじゅう」でも、ありません
これは、商末周初期の、まさにという感じの鼎です。
重さが62.5キロあるそうです。
だいたい米一俵だなぁー
商(殷)周時代にさかんにつくられていた青銅器ですが、
あまり実用的でなかったのか、
紀元後には器がつくられることはほとんどなくなり、
鏡や灯明台などのこまごまとしたものに移っていったそうです。
そういえば、お仏壇の前のお灯明台は、鉄の鋳物だった気がしますね。
以下に、ちょっとかわいらしい青銅器を載せておきますので、
ぜひご鑑賞ください
これ、カレー入れたよね?ぜったい(笑)
これで酒を温めて、
これで飲む
温める器より、飲む器のほうが、大きい
このあたま、どんな食べ物(植物)に見える?
じつは、ニンニク。
こんな形になっている器を「蒜頭壺(さんとうこ)」というらしい。
かわいいオシリに見えるんだけど。。。
こんなふうに、下に鏡が敷いてあるのは、裏に金文があったりする。
でも、読めない。。。
これはかなり古くて、(B.C.17~B.C.15世紀)のものなんだって。
この「鬲」ってのも、象形文字かなー
「なら仏像館」と「青銅器館」は、
高校生以下は、通年入館無料ですよー