9月18日
本日 敬老の日
ご高齢の方がたを敬い大切にする気持ちを、新たにする日ですが、
さて、高齢者って、いくつぐらいから…?
かつて、人びとの寿命が50歳ぐらいだったころ(古代・中世あたりでしょうか)、
お祝いされるほどの高齢といえば、60歳が区切りでした
いまも、還暦のお祝いをされるご家庭が、あるのではないでしょうか
十干十二支で、暦が一回りするのが60年というところから、還暦と名付けられています
古典では、十二支(えと)は、歳月だけでなく、時間や方角・方向を表すのにも用いられますよね
たとえば、北東の方角、艮(ごん・うしとら)といえば、鬼門といわれて、鬼が入ってくるところでした
鬼は、艮から入って坤(こん・ひつじさる)に抜けていきます
抜けていくところが裏鬼門
鬼門も裏鬼門もあまり縁起の良くないところとされています(鬼だもんね~)
京都御所では、鬼門のところの塀がわざと欠けて築かれ、
暗くてなかなか見えませんけど、日吉山王社の使い、猿の像が、金網に閉じ込められています(猿が辻)
鬼が出てくる時刻は、「丑三つ時(うしみつどき)」
時刻は、2時間刻みで干支に当てはめてありますので、
午前2時を中に前後2時間が丑の刻、丑三つ時はそれを4つに分けた3つ目の刻
つまり、午前2:00~午前2:30ごろということになるでしょう
「草木も眠る~」などと言うのですが、
いまの時代、みんなが寝静まることはないでしょうから、鬼も出られなくなっているでしょうね
方角は8方位が一般的なので、丑と寅はまとまってうしとら、辰と巳はまとまってたつみ、
同様に未と申でひつじさる、戌と亥でいぬい
鬼門・裏鬼門の逆はかなり縁起のいい方角ですから(ぜったい鬼は来ないもんね)、
〈たつみさん〉や〈いぬいさん〉という名前の方、けっこういらっしゃいますよね
奈良には、とくに多い気がします
縁起の悪い方角をさける「方除け(ほうよけ)」
古典には「方違え(かたたがえ)」がけっこう出てきますよね
枕草紙にも、すさまじきもの(残念なこと)として、『方違えに行きたるにあるじせぬところ』(方違えで行ったのに、おもてなしがないところ)、というのが出てきます
現代の方除けはこれかな~
京都、北野天満宮からほど近くにある「大将軍八神社」の方除け守り
干支の知識は古典の勉強には必須
こういう伝統は、なくなってほしくないですね