富山へ来て35年になりますが、初めて五箇山の“こきりこ祭り”に行ってきました。哀調を帯びた節に合わせて「ささら」と呼ばれる木の楽器を鳴らしながらの踊りを一度見てみたいと思っていましたが、場所が五箇山で遠いうえ、夜に開催されるということでなかなか叶いませんでした。



 9月26日(水)仕事を早めに切り上げて五箇山へ向かいました。始まる前に腹ごしらえに近くの食堂へ。山菜定食が美味しそうでそそられて注文しました。感は大当たり!で五箇山豆腐(縄で縛っても崩れないほど固いので有名です)も付いていて、私には珍しく完食しました。




山菜定食  五箇山豆腐

山菜定食               五箇山豆腐



 五箇山は平家落人の里として知られていますが、その合掌造りの集落が世界遺産に登録され、観光客でにぎわっています。今は市町村合併で南砺市となりましたが、会場の旧平村上梨の白山宮境内に着くと満員の人、ひと。椅子席はあらかじめ指定席券が必要とわかりました。後ろの立ち見で楽しみました。



 こきりこの踊りだけでなく、同じく世界遺産となったお隣、白川村の民謡保存会が出演し、また越中八尾の「おわら風の盆」の唄や踊りもあり、胡弓の音が中秋の名月もまぶしい山間にもの悲しくひびき幻想的な一夜でした。


こきりこ祭り会場

こきりこ祭り会場

「麦屋節」唄と踊り  「こきりこ節」唄と踊り

「麦屋節」唄と踊り          「こきりこ節」唄と踊り



 最後が烏帽子に狩衣をまとった若者2人が、身体をくねらせ跳ねながらささらを鳴らします。豊穣を祈っての舞といわれますが、喜びが身体に満ちあふれ、ひきこまれるようでした。



 地元で演じられる民謡には味わいがあります。空気といえばいいのでしょうか、においなのかもしれませんが、唄と踊りと一体となって独特なムードが醸し出されます。心豊かな幸せな気持ちに満たされて、夜遅くに五箇山を後にしました。




合掌造り重文村上家の前で  ささらを持って

合掌造り重文村上家の前で      ささらを持って