9日富山市の北アルプス水晶岳で乗客、乗員10人乗りのヘリコプターが墜落した事故で、救助された方々は富山県内3つの病院にわけて搬送されました。

我が家は搬送された病院の一つ黒部市民病院の斜め後ろにあり、朝から横の駐車場にはテレビクルーが陣取っていました。

 ヘリポートにヘリコプターが近づくと我が家は振動で揺れます。料理教室はガラス張りなのでよく見え、緊張感が伝わってきました。負傷者の方の一日も早いご回復を心よりお祈り致します。

山は4月に入っても雪で覆われていますが、そろそろ山菜も芽吹く頃になりました。 

冬眠から目覚め穴からはい出した熊は、苦みのある山菜を食べていることでしょう。

熊は松ヤニを食べて肛門をふさぎ冬眠に入るのですが、目覚めて一番の仕事が、タラの芽など苦みの山菜食べて胃腸を活発にし、蠕動(ぜんどう)運動を促して松ヤニを外すことなのです。なるほど自然の摂理はうまくできているものだと感心します。

 熊肉は中国では何回か食べましたが、おいしいと感じたことはありませんでした。新潟で熊鍋や熊の煮込み料理を食べたら、うまいのなんのって!!

どうしてこんなに肉が柔らかくて、臭みもなくおいしいのかとお聞きすると、熊打ち名人は「コブシの花芽を食べる前に熊を仕留めると、肉が臭くなくおいしい」と。

コブシの花芽は生薬名を辛夷(シンイ)といいます。花粉症の妙薬でモクレン科のハナモクレンやこぶしなどの花雷を乾燥したものです。古来より鎮静、鎮痛薬として頭痛、頭重を伴う鼻炎、蓄膿症、アレルギーなどに用いられてきました。

形状はちょうどネコヤナギのように愛らしいので、まだ薬膳に未熟な頃お清しの具に入れて、家族と供しました。口がひん曲がるほど苦くて、大ブーイングで失敗したことが思い出されます。

 私たち人間も例外ではありません。春にふきのとう、菜の花、セリなど苦みの山野草を食べます。これは冬の間、活動がにぶっていた筋肉や胃腸の働きを促し、目覚めさせるためなんですよ。旬の食材はその季節を元気に乗り切るために、自然界からの贈りものなのです。栄養価も当然最も高くエネルギー、パワーがギュッと詰まっています。

 ヒトから人間になって、いわゆる頭(脳)が飛躍的に発達しましたが、実はカラダはヒト(動物)であることをつい忘れがちですね。

さあ、春の旬の食材で今日は何を食べる?



ヘリポート

黒部市民病院のヘリポート