先物取引の意味
=価格変動リスクを移転するため
=現物の価格変動リスクを避けるために、その商品の先物を売ったり、買ったりして
そのリスクを回避すること(=リスク・ヘッジ)
先物取引の参加者(手段・機会)
①ヘッジャー(リスク回避手段)
リスクの回避手段として先物取引(ヘッジ取引)を行う人
②スペキュレーター(投機利益獲得機会)
リスクを覚悟の上
単に先物を売買して高い収益を狙う取引(スペキュレーション取引)
を行う人
③アービトラージャー(裁定利益獲得機会)
先物と現物または先物同士の価格乖離を捉えて収益を狙う取引(裁定取引)
を行う人
※価格変動リスクの移転機能を果たすため、市場取引を通じ
ヘッジャー間でリスクが移転されあったり
ヘッジャーからスペキュレーターにリスクが転嫁される。
取引の種類
①ヘッジ取引
=先物市場において現物ポジションと反対のポジションを設定することで
現物株式の価格変動リスクを回避しようとする取引
・売りヘッジ
保有株式の相場下落が予想されるとき、先物を売り建て
予想通り相場下落した時に、先物を買い戻して利益を得ることによって
現物の値下がりによる損失を相殺する取引
・買いヘッジ
将来取得予定の株式について、相場上昇が予想されるとき、先物を買い建て
予想通り相場上昇した時に、先物を転売して利益を得て
これを現物購入資金に加えることで、
その期間中の現物価格の値上がり分をカバーする取引
②スペキュレーション取引
=単純に先物価格の値上がり、値下がりなど先物価格の変動を予想することによる
利益獲得のみに着目する取引
先物が値上がりしそうなら買い、値下がりしそうなら売る。
※現物取引でもあるが、先物取引は、小額の証拠金だけで
多額の取引ができるのがメリット(=レバレッジ効果)
③裁定取引
=あるものの価格関係にぽいて、一時的に乖離が生じた場合に、
割高なものを売って、同時に割安なものも買い、
後にこの2つが適正な価格に戻ったら、決済を行い利益を得る取引
ベーシス取引
=裁定取引のうち、先物と現物との価格差を利用してサヤを取る取引のこと
※極めて低いリスクでリターンを得る取引!
④スプレッド取引
=2つの先物の価格差を利用した取引
=スプレッドが一定水準以上に乖離したとき、 割高な方を売り建て、割安な方を買い建て
スプレッドが一定水準に戻ったら、決済を行い利益を得る取引
・限月間スプレッド取引(カレンダースプレッド取引)
=限月の異なる先物の価格差が一定の水準付近で動くことを利用した取引
=スプレッドが拡大または縮小した時にポジションをとり
予想通りスプレッドが戻った時に決済し、利益を得る取引
・市場間スプレッド取引(インターマーケット・スプレッド取引)
=異なる市場間の先物価格差を利用したもの
乖離した価格差がその後近づくことを前提とする。
※ただし、双方の先物取引の構成が異なると、必ずしも、乖離が
解消するとは限らないので注意