箱根で寄木細工体験
箱根の定番お土産として知られる寄木細工。幾何学模様のペン立てや小箱などは土産物屋さんでもよく見かけますよね。唯一の産地である箱根・小田原エリアでは、買うだけでなく製作体験を実施しているところも多く、気軽に触れられる伝統工芸でもあります。そして箱根といえば日本屈指の温泉地。ということで今回は温泉に泊まり、宿で寄木細工作り体験をしてきました。お邪魔したのは「星野リゾート 界箱根」。ロビーにはモダンな模様のアート作品が並んでいておもしろい。寄木細工ってこんなにステキだったんだ♪まずは歴史を学びましょう「寄木細工」っていつ頃からあったんだろう? そんな疑問に答えてくれるのが、ホテルスタッフが毎夜ロビーラウンジで行う「寄木細工のひみつ」。拍子木を打ち鳴らしながら、まるで噺家のように解説してくれます。それによると、箱根の山はもともと種類豊富な木々が育つ土地柄で、寄木細工のもととなる「箱根細工」の原型が生まれたのは平安時代頃。江戸時代後期に石川仁兵衛さんが箱根細工に別の木をはめこんで模様を入れ、「寄木細工」と名付けたのがはじまり。当時は模様が入った面積は小さくて、徐々に全面に模様が入った寄木細工に発展していったのだそう。どんな風に作るの?材料となるのは、ニガキやパドック、ほう、ウォルナット、うるし、かつら、神代かつらなど。赤やこげ茶、肌色などの色味は天然で、一切着色はしていないというから驚きです。職人はまず、陰干しした木を三角形や菱形にカットして、それをのりで貼り付けて単純な模様をつくり、さらにそれらを組み合わせて複雑な模様に。こうやってつくった「種木(たねぎ)」はどこから切っても同じ柄となり、まるで金太郎飴のよう。①カンナで薄く削った「ズク」を表面にはりつけた「ズク貼り」と、②立体的に削りだした「無垢づくり」というふたつの手法で製品に仕立てていきます。無垢づくりが始まったのは接着技術が向上した明治頃から。木と木を寄せてつくるのに、水分を入れるカップや茶わんなどもあることにびっくりしました。さぁ、体験してみましょう!紙芝居のあとはコースターづくりの体験。一つ1500円で誰でもできちゃいます。工程は、①木の個数を確認 → ②見本をみながら、完成図を想像して並べてみる → ③3つの塊に分けて、ボンドで貼り合わせる → ④さらに菱形同士を接着 → ⑤表面・裏面の隙間にボンドを刷り込む → ⑥拭き取る → ⑦一晩、ゴムバンドで固定 → ⑧翌朝、表面のボンドの汚れをやすりで削れば出来上がり!朝食のりんごジュースをマイコースターの上に載せれば、愛着もひとしお。大事に使いたくなりますね。館内でもアートを楽しむ旅館に展示されるアートというと絵画や書画を思い浮かべるけれど、「星野リゾート 界箱根」で楽しむのは寄木アート。寄木細工のテーブルや襖の引き戸に寄木細工をはめ込んだ「ご当地部屋」があるほか、料理にも寄木細工の器を使った「寄木八寸」という料理があります。さらに、寄木細工の茶器に自分で抹茶を立てていただく、「和フタヌーンティー・セット」(2,000円税込)といったオプションも! 滞在とともに、寄木細工への知識と想いも高まっていって、お土産にも一つほしくなります。土産処にはお盆や箸、箸置きなどはじめ、変わったところではネックレスやイヤリング、ピアスなども手ごろな料金で並んでいます。すべて、館内の装飾を手掛けた、露木木工所の三代目・露木清勝さんと四代目・清高さん親子がつくった作品です。お宿でゆっくり過ごしながら、その土地ならではの伝統工芸を学ぶ時間は、とても有意義でした。星野リゾート 界 箱根 (http://kai-hakone.jp/)住 所 神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋230電 話 050−3786-0099(界予約センター:予約時間8:00〜21:00)宿泊料金 1室2名利用の場合の1泊2食ひとり3万1,000円(消費税・入湯税込)~体験料金 寄木細工づくり体験は1,500円(文・野添ちかこ)