cinema staff  『SALVAGE YOU』

前作、『in to the green』へたどり着くまでの物語がこめられた4th mini album。

Vo飯田の伸びやかな声と相反するような激しいリズムフレーズ。

これぞcinema staffという音の構造はそのままに、憂いを帯びたメロディライン。

M-1「奇跡」では、


奇跡はいらない。荷物になっちまうでしょう。


と唄う。この言葉を強く言い切ることができるようになった

ここ数年での彼らの活躍は本当に目覚ましいものがあった。


M-3「さよならメルツ」では、かわいらしいメロディとは裏腹に、光を失ってしまった絶望感が描かれている。

一聴すると、マーチのような可愛らしいギターリフが印象的な作品になっている。しかし、もう一度、次は歌詞に耳を傾けてほしい。

そのギャップに気付いたとき、もっとその楽曲の良さが光って見えてくる。


M-4「her method」 言うまでもないですね、これはもうライブでのダークな照明、客席に飛び込むGt辻が目に浮かぶような楽曲。キレッキレのギターです、まさに。そして、ボーカルエフェクターがかかっており、これまでの同様のダークで破壊力のある楽曲とは一味違って聴こえる。人間味が打ち消されて、歌声もつめたく他の音にと一体化していくような感覚だ。


そして、今回のアルバムはSALVAGE YOU。ラストM-7は「salvage me」。

歌詞に描かれる、ある日のまぶしいくらいの夕焼けが鮮明に浮かんでくる素晴らしい楽曲となっている。

かき鳴らされるギターの音の中にかすかに聞こえる音、最後に夕日が沈んでいくように、その音がだけが残って、フェードアウトしていくことが、この曲の切なさをより一層強めている。


僕たちを救ってくれた音楽、そしてそこから生み出した音楽で君たちを暗闇からひきあげてあげる、という想いがこめられている今作。元気にしてあげるという大それたことは言えないと、インタビューで答えていたシネマ。

そんなところが彼ららしい、この作品がツアーを通して、しっかりと彼らのモノになる瞬間が楽しみでしかたない!


GRIKO 『Esteban』


最強の布陣で挑む!!

まさにこの言葉がふさわしいGRIKO。

ハヌマーンのリズム隊だった、Ba えりっさ Dr ピクを迎え入れという斬新かつ禁断(笑)の手をつかったGRIKO。


まぁ、冗談はさておき。

正確ピクのドラムに縦横無尽に駆け巡りながらもサビでは、しっかりとリズムを刻むえりっさのベース。

だからこそ、自由なギタープレイが可能になり、伸びやかに歌うことができるんでしょうね。


まるで、銃撃のようにギターが唸りを挙げ、重厚なリズムに、咆哮が響き渡る「HARDRAIN」

かと思いきや、

ギターのカッティングに跳ねるようなリズムが心地いいさわやかな「ルーレット」

ケロっと笑っておいオレ達一筋縄ではいかへんぞ!と指さして、セミマルにどなられたかのように感じてしまう。



今作は、「HARDRAIN」を含む冒頭の2曲に関しては、確かにインパクトが強くて、

リスナーの興味付けには申し分ない破壊力をもっている。

そこからどんどん聴き進めていくと、前述した「ルーレット」に始まり、まるで下町の夕焼けが似合うような

ちょっぴり懐かしい、ちょっぴり切ない楽曲が並ぶ。

なかなか一筋縄ではいかなかったバンド人生だからこそ、彼らに描けない世界がそこには広がっている。



セミマルの男臭いボーカルが活きる「Loser」には、


空白の青春時代 どんな夢をおまえは見ている?

遅くなったが始めるぜ 負け犬の逆襲


とある。

新生GRIKOはまだ始まったばかり。

大阪から発信する泥臭いロックが日本中をかけめぐりますように!



Sawagi 『PUNCH GAMES』


3年ぶりにリリースされた彼らのニューアルバム。

1枚の作品として申し分のない仕上がりになっていると思う。


ライブではすでに演奏されていた「Hanoi」や「Topology」なども収録された全11曲。

前作『hi pop』から感じられた、フロアで踊り明かすためのがむしゃらで突き抜けた様子は、そこにはない。


彼らがライブで共演してきた数々のバンドから学び取ったのであろうモノがこの1枚に凝縮されている。

それ故に、振れ幅の広い作品に仕上がっているのではないだろうか。

流れるように美しいピアノが全編に渡り輝きを魅せる「Topology」

レーザービーム必須のサイケデリックサウンド「Tempest」

まるで早大なハリウッド映画の始まるを予感させるようなアンセムソング「Nemesis」

ジャッキジャキに歪んだギターから始まり、それぞれの音が狂気的に交わる「Panic」

4つ打ちのビートにシンセの音が心地いい洗練されたシティポップ「Captain Coconut」


…


こんなにも毛色の違う曲たちが相反することなく見事に共存している。

それは、まるでこの1枚が1本のライブであるかのように曲が配置されているからなのかもしれない。

前半にはエンジン全開、トリック満載のSawagi節を聴かせる

中盤にかけては休憩タイムですよと、やさしくメロウな曲を聴かせる

そしてラストには、別れを惜しむように徐々にテンポをあげて、最高にピースフルな笑顔があふれるような歓喜に包まれる。


いまのSawagiをまさに真空パックにしたような今作。


さぁ、来年1月にはリリースパーティのMitoreも開催予定!

楽しみがとまりませんね^^