《二つの世界をつなぐ橋》第8話①
すでに次を生き始めている人たち
社会が変わったら、
自分も変わる。
制度が変わったら、
動き始める。
誰かが方向を示してくれたら、
ついていく。
多くの場合、
私たちは、
そんな順番で物事を考えます。
でも、
本当に変化というものは、
そうやって始まるのでしょうか❓
私は、
少し違うように感じています。
大きな仕組みが変わる前に、
すでに、
別の生き方を始めている人がいる。
誰かに命令されたわけでもない。
社会から褒められたわけでもない。
むしろ、
周りから見れば、
少し変わった人に見えることもある。
それでも、
自分で考えて、
自分で選び、
一歩を出した人たち。
私は、
そういう人たちの中に、
次の時代の「ひな型」が、
すでに生まれているように感じています。
🌱 社会が変わるのを待たない
社会には、
大きな仕組みがあります。
政治
行政
金融
教育
医療
企業
法律
社会保障
インフラ
それらは、
私たちの生活を支えています。
だから、
仕組みが変わらなければ、
自分の暮らしも変えられない。
そう思うのは、
自然なことです。
でも、
本当に、
全部が変わるまで待たなければならないのでしょうか❓
私は、
そうは思っていません。
自分の生活の中には、
今すぐ変えられるものもあります。
何を食べるか?
何を買うか?
何を学ぶか?
誰と付き合うか?
どこへ時間を使うか?
何を信じるか?
どんな情報を見るか?
何を疑うか?
何を自分の手でやってみるか?
小さなことですが、
その積み重ねが、
生き方になります。
🧭 変化の前には、必ず少数がいる
新しいものが、
社会全体へ広がる時、
最初から、
全員が動くわけではありません。
まず、
少数の人がやってみる。
失敗する
考える
やり直す
また試す
そして、
少しずつ形になる。
それを見て、
次の人が動く。
さらに、
その次の人が動く。
やがて、
「あれは特別な人だけがやること」
と思われていたものが、
普通になっていく。
歴史を見ても、
多くの変化は、
この繰り返しだったように思います。
🌿 恐怖がなくなった人ではない
では、
最初に動く人は、
怖くないのでしょうか❓
私は、
違うと思っています。
怖い
不安もある
失敗するかもしれない
笑われるかもしれない
損をするかもしれない
孤立するかもしれない
それでも、
動く
つまり、
恐怖がなくなったから、
動けるのではない。
恐怖があっても、腹をくくった
私は、
そこが大きいのだと思っています。
🌱 「腹をくくる」ということ
腹をくくるという言葉は、
少し強く聞こえます。
でも、
特別な決意だけを指すのではないと思います。
自分で決める。
そして、
結果を、
自分のものとして受け取る。
うまくいかなければ、
また考える。
誰かのせいにするのではなく、
次の一手を考える。
これは、
これまで書いてきた、
「自分の足で立つ」
ということと、
同じです。
つまり、
次の時代を先に生き始める人は、
特別な能力を持っている人というより、
自分の選択を、自分で引き受け始めた人
なのかもしれません。
🌾 小さな畑も、一つの実験になる
私は、
田畑や庭に触れていると、
そのことをよく感じます。
種をまく
芽が出る
出ないこともある
虫に食べられる
雨が続く
暑すぎる
寒くなる
思った通りにはいかない
でも、
その度に観る
土を見る
植物を見る
天氣を見る
やり方を変える
そして、
また試す
そこには、
「正しい答え」が、
最初から用意されているわけではありません。
自分でやってみて、
自分で確かめる。
それだけです。
これは、
暮らし方そのものにも、
似ているように思います。
🔥 先に試す人は、失敗も引き受ける
新しい生き方を始める人は、
うまくいくことばかりではありません。
むしろ、
失敗の方が多いかもしれない。
お金を失う
時間を使う
遠回りする
人から理解されない
でも、
その経験が、
次の人の材料になります。
「これはやめた方がいい」
「ここはうまくいった」
「このやり方なら続けられる。」
「これは思っていたのと違った」
そうやって、
経験が知恵へ変わる。
だから、
最初に動く人の役割は、
必ず成功することではない。
先に試し、観測し、次へ渡すこと
そこにも、
一つの利他があるように思います。
🌉 ひな型とは、完成品ではない
私は、
「ひな型」という言葉を、
完成された正解という意味では使っていません。
むしろ、
最初の試作品に近い。
まだ粗い
改善するところもある
失敗もある
でも、
「こういう生き方もできる」
という形が、
そこにある。
それだけで、
次の人は、
ゼロから始めなくて済みます。
誰かの実践が、
別の誰かの、
思考の補助線になる。
その積み重ねが、
社会の変化を、
少しずつ下から作っていく。
私は、
そんなふうに考えています。
🌿 すでに始まっている
社会が大きく揺れ始めると、
「これから何が起きるのか?」
という話が増えます。
でも、
別の見方もできます。
すでに何が始まっているのか❓
地域で食べ物をつくる人
小さな商いを始める人
大量消費から距離を置く人
自分で修理する人
昔の技術を学び直す人
新しい技術を使いながら、
依存しすぎない方法を探す人
地域の人とつながり直す人
子どもへ、
答えではなく、
考える力を渡そうとする人
自然と共に暮らす方法を、
もう一度試している人
こうした動きは、
すでに、
あちらこちらで始まっています。
🧭 目立たない人たち
ただし、
こういう人たちは、
大きなニュースには、
なりにくい。
政治家でもない
大企業の経営者でもない
有名人でもない
テレビへ出るわけでもない
ただ、
自分の暮らしの中で、
少しずつ、
次の生き方を試している。
私は、
これからの変化は、
案外、
こういう目立たないところから、
始まるのではないかと思っています。
《二つの世界をつなぐ橋》 第8話 ②へ続く

