
最近母が亡くなった。
晩年は入院生活が長くなり、どんどん身体が弱っていたので、知らせを聞いてもあまり驚かなった。
最後はとても安らかだったことが想像でき、ホッとした。
私は臨終を看取ることに恐怖心がある。
あの、死を待つ空間の、人の熱や涙や気持ちの揺れみたいなものに乗り切れないのだ。
どこかで、私が今泣いて何かを言っても、この人が死ぬことに変わりはないのだ、みたいなことを思っている。
そして、この悲しみに溢れた強烈な印象が、私の中にずっと留まることが怖い。
私はその人と生きていた時に過ごした穏やかな気持ちを抱えていることで精一杯だ。
だから、何の前触れもなく静かに旅立ったことは、母からの私への思いやりのようにも思える。
父が亡くなった時は、私は本当に子ども過ぎた。
だから、身近な人の死に今初めて向き合いながら、この経験をしたであろう人のことを、実感を持って想像する。
何て切なくて寂しいことだろう。
その人の思い出や、笑顔や、優しさや、私がしてあげられなかったことを思うと、涙が出てくる。
忘れたくないけど、思い出すと寂しい。
平気な顔で暮らしていきたい。
今改めて彼らが過ごしてきた日々に敬意を感じている。