結局、宇宙は有限?無限? 宇宙ファンも混乱する問題を物理学者がとことん解説 | メインウェーブ日記

メインウェーブ日記

気になるニュースやスポーツ、さらにお小遣いサイトやアフィリエイトなどのネットビジネスと大相撲、競馬、ビートルズなど中心

宇宙はどのように始まったのか──
そんな宇宙にまつわる疑問に対して、私たちは間違った解釈をしているかもしれない
物理学者の須藤靖氏は、「宇宙はビッグバンから誕生した」は誤解だと指摘する
どういうことなのか
朝日新書『宇宙する頭脳 物理学者は世界をどう眺めているのか?』から一部を抜粋、再編集して解説する

*  *  *

■ビッグバンは爆発ではない

宇宙は点が爆発して始まった

いわゆるビッグバンの説明としてこのような記述を見かけることが多い。
そこには、「宇宙はビッグバンから誕生した」、「ビッグバンは爆発現象だ」、「宇宙はかつて点であった」という三つの主張が含まれているしかしこれらは控えめに言っても誤解を与える表現、端的に言えば、間違いである

まず、宇宙がいかにして誕生したのかは全くわかっていない

次に、ビッグバンは、バン(bang)という英単語が用いられているにもかかわらず爆発ではない

しかし、宇宙は「誕生直後に」極めて高温かつ高密度の状態を経験したことは確実だ
そして、「その状態」をさしてビッグバンと呼ぶのが普通である

最後に、宇宙を過去に遡ると、その体積は0になる、すなわち「数学的な意味での」点であると考える根拠は間違っている(その結論が間違っているかどうかまでは未だ断言はできないとしても)

「宇宙はかつて点だった」という広く流布しているとおぼしきこの宇宙最大の誤解の周辺を掘り下げてみたい

■結局、宇宙は有限か無限か

今から138億年前に発した光を含む平面はいわば「現在の我々が観測できる宇宙の限界」に対応する
この考察を全天に広げれば、この限界は我々を中心とする半径138億光年の球面となる

しかしながらこれは宇宙に果てがあり、有限のサイズを持っていることは意味しない
それどころか宇宙には果てがなく無限の体積を持つと考えられている

にもかかわらず、一般解説書には、宇宙の大きさは3000メガパーセクだとか、宇宙は光が138億年の間に到達できる半径を持つ、とか書かれていることが多い

「宇宙は有限なのか、無限なのか、はっきりしろ」と怒りを覚える方がいらっしゃるのも当然である

この混乱の元凶は、「我々が現在観測できる宇宙」と「観測できるかどうかに関係なくその外に広がっている宇宙」という二つの異なる概念を明確に区別せずに説明しているためだ
その違いはとても大切であるにもかかわらず、説明し始めるとそれだけで講演会が終わってしまうほど時間がかかる可能性がある

そのため、「くどくなくわかりやすい」説明を心がける大多数の専門家は、暗黙のうちに「我々が現在観測できる宇宙」という意味で単に「宇宙」という単語を用いている
このような専門家の善意が、宇宙ファンの多くの方々を混乱させているようだ

そこでとりあえず、ある講演会のあとで寄せられた質問「宇宙の大きさはどの位ですか」に対する、私のくどくてわかりにくいものの実直な回答を紹介しておこう

現在の標準的宇宙論では、宇宙は無限に広がっており果てもないと解釈されています
その意味において、宇宙の大きさは無限大です
ただし、天文学者が単純に「宇宙」と呼ぶ場合、それは「我々が現在(原理的に)観測できる領域の宇宙」(地平線球)をさすことがほとんどです

その意味での宇宙の大きさ、すなわち「我々を中心として、現在観測できる宇宙」の半径は、宇宙誕生以来138億年の間に光が進む距離となります
大まかには138億光年と考えて十分なのですが、宇宙が膨張している効果を考慮してより正確に計算すると約470億光年になります

実はこれこそが「宇宙は点が爆発して始まった」という単純な言い回しを誤解してしまう原因でもある
「現在我々が観測できる領域内の宇宙の体積を138億年前の宇宙誕生の瞬間まで遡れば(ほとんど)点とみなせるほど小さくなる」と丁寧に言い換えるならば、科学的裏付けのある正しい結論である

しかし、我々が現在観測できない宇宙(マルチバースと考えてもよい)までを含めるならば、決してそれは正しいとは言えない
その外にある宇宙が現在無限に広がっているとすれば、過去に遡ってもやはり無限に広がっているはずで、少なくとも我々が考えるような意味の点ではない

冒頭のビッグバンに関する説明、「宇宙は点が爆発して始まった」は、より正確には次のように置き換えるべきである

我々が現在観測できる半径138億光年内の宇宙は、138億年前にはサイズが極めて小さい体積の、高温かつ高密度の状態にあった
しかし、宇宙全体はその領域を超えてはるかに広がっており、無限の体積を持っていたと考えても、現在の観測事実とは矛盾しない  

ただし、数学的な意味での無限大の体積を持つ宇宙が、物理的に実在するかどうかは、直接観測で証明できるものではなく、むしろ哲学的な問題に帰着する

(この記事は、AERA dot.の記事で作りました)

宇宙が有限か無限かについては私は小学校時代から考えていました

小学生当時の私はさすがに宇宙も有限だと考えましたが、その後宇宙の広大さやスケールの大きさを知り、宇宙は無限かもと考えがあらたまりました

それに仮に宇宙が有限だとしても膨張しているので膨張できる「スペース」があるので、空間レベルで宇宙は無限とも思いました

宇宙が無限だとしたら無限の宇宙がさらに膨張していることになります

もはやスケールが大きすぎて哲学的問題にもなります

それに自分たちの宇宙以外にも別の宇宙もあるとするマルチバースの考えもあり、この宇宙の外に別の宇宙があるとすれば宇宙は無限なのかもしれません

 


「宇宙誕生は偶然か必然か」「宇宙は有限か無限か」などの宇宙に関するそもそもの興味深いギモンを解説
宇宙のギモンに楽しくわかりやすく真面目に物理学者が考える