地球には、6000種類以上のさまざまな鉱物が存在することが知られている一方、火星では50年以上におよぶ調査を経ても、161種類の鉱物しか見つかっていない
平均的な化学組成など、地球と多くの共通点を持つ惑星にしては、著しく低い数字だ
最新の研究によると、この差が生じているのは、火星の鉱物が地球の鉱物に比べて、形成過程が少なかったことが原因だという
火星には、プレートテクトニクスと生命体という、鉱物の形成に寄与する2つの重要な要因がないからだ
過去の研究では、地球の一次鉱物と二次鉱物の形成に関して57通りのメカニズムを特定しているのに対し、今回の最新研究で特定された火星の鉱物形成機構は20通りにすぎない
両惑星の歴史の初期には、地球と火星の鉱物は同様の過程で形成されていた
例えば、両惑星の最初の鉱物は、冷えたマグマから直接結晶化したか、隕石(いんせき)衝突時に発生する高圧条件下で形成された可能性が高い
また、それぞれの惑星で最初の安定な地殻と海洋が形成されてからは、地殻変動と熱水活動が多くの新しい鉱物をもたらした可能性が高い
だがその後、火星と地球の鉱物がたどる道筋は枝分かれした
地球とは異なり、火星は現在、地質学的に不活発な天体だ
火星内部のエネルギーは、原初の形成段階からの残熱と放射性元素の崩壊によって生成されたが、火星の直径が小さいため、遠い昔に大量の内部エネルギーが宇宙空間に流出してしまった
そして地球のプレートテクトニクスを駆動している、部分的に溶融した岩石の流れも、遠い昔に止まってしまったのだろう
プレートテクトニクスがないため、火星には、カイヤナイト(藍晶石)やガーネット(柘榴石)などの多くの一般的な変成鉱物を形成するのに必要な圧力と温度の条件が存在しない
また、プレートテクトニクスは元素を絶え間なく再混合し、新たな化合物や鉱物を形成している
鉱物形成に寄与する生物活動とは
火星には最長で36億年前まで水が存在したことを、地質学的証拠は示唆している
しかし、重力が弱いせいで濃い大気がなく、大半の水が時間とともに蒸発したか、現在は地下で固い氷となっている
火星は生命の存在に適した条件が最初の10億年間存在したかもしれないとわかっているが、それとは対照的に、地球の生物多様性は時間の経過とともに著しく増大した
今回の研究をまとめた論文の筆頭執筆者のロバート・ヘイゼン氏は「生物相が存在しなければ、地球の鉱物の3分の1は形成されなかっただろう」と説明する
アパタイト(燐灰石)やカルサイト(方解石)のような鉱物は、多くの動物の骨や殻に含まれているが、さらに重要なのは、20億年以上前の地球で酸素を豊富に含む大気を生成した微生物の活動が、2000種類の酸化鉱物をもたらしたことだ
この活動がなければ、酸化鉱物は形成されなかったと考えられる
今日でも、生物が地球の鉱物多様性を増加させている可能性がある
英領南極地域のエレファント島には、ペンギンの尿と集団繁殖地の下にある粘土鉱物との反応でしか形成されない鉱物種「スペニスキダイト」が見られる
2017年に発表された調査では、最近の人間の活動に由来する新鉱物が数百種同定された
研究結果をまとめた論文「On the Diverity and Formation Modes of Martian Minerals」は、学術誌Journal of Geophyical Reserch:Planetsに掲載された
追加資料は米国地球物理学連合(AGU)のレイチェル・フリッツから提供されている
(この記事は、Forbes JAPANの記事で作りました)火星の「鉱物の種類」、似た地球と比べて著しく少ない
火星の「鉱物の種類」が似た地球と比べて著しく少ないのは、鉱物の形成過程にあるようだ
また生命の宝庫となっていった地球が生物の豊富さとともに鉱物の豊富さにつながったようだ
正解かはわからないが太陽との距離も関係していると思う
地球温暖化や天体衝突、太陽の膨張などで地球外の宇宙に住む時代がくるという
月や火星などに始まり、その他の太陽系惑星、太陽系外へ