もっさん、この日は日暮里へ。
都内ではそれなりの回数の食べ歩きを行っているもっさんですが、JRの日暮里駅を降りたのは今回が初めてでした。
ホームから改札階へ上がった時点で漸く
「あれ、ここ見た覚え無いな?」
と気がつきました。
自分でもその意外さにビックリです。
さて。
もっさんはお仕事の都合上、盆暮正月の「長期休暇」というものに一切ご縁が有りません。
この日1月8日が、2025年を占う初の食べ歩きでした。
「キッチン フォーク 日暮里店 (きっちん ふぉーく にっぽりてん)」さん。
2025年1月8日訪問。
11時55分入店。
JR西日暮里駅から、徒歩にて約5分。
線路沿いの通りにて営業の「キッチン フォーク」さん。
お店は板張りに黄色いロゴのファサードが印象的です。
同店の看板商品はローストビーフ。
「ローストビーフ専門店さん」という訳でもないのですが、メディアへの露出の際に取り上げられるのは決まってローストビーフですね。
もっさんもそれをお目当てにお邪魔しました。
◯ プレミアムランチコース
もっさんが頂いたのはプレミアムランチコース。
メインのローストビーフに、アミューズ・オードブル・スープ・ライス or パン・デザート・コーヒー or 紅茶が付く、計7品のコースです。
尚、こちらは要予約のコースとなっています。
◯ アミューズ
お料理はアミューズ4点盛りからスタート。
モルタデッラハム、海老のマリネ、豚肉のリエット、ポテトサラダ。
何もひと口サイズの盛り付けが可愛らしく、かつ美味しい。
白眉はトリュフを効かせたポテサラ。
お酒が欲しくなる味付けですが、鉄の意志で我慢します。
◯ オードブル盛り合わせ
◯ ウーヴァ ビオ ビオ メルロー
ふた皿目はオードブルの盛り合わせ。
予想外の盛りの良さ!
こ、これは堪らぬ!
赤を下さい(白目)。
オードブルのメインアクトは、矢張り生ハム。
旨味と塩気にお酒が進みます。
サラミはピカンテを入れての2種盛りが嬉しいですね。口内に残った脂気を、お酒で流すのが実に良き。
寧ろ、そっちがサラミのお楽しみのメインだとも言えます。
海老は醤油タレに漬け込み、オリーブオイルを合わせてあります。
味の入り方が完璧で、滅法美味かったです。
絶対王者、スモークサーモン。
オードブルの魚介と言えばコレでしょう。
生ハムのサラミの下には鶏ハムが隠れていました。
柔らかでしっとり。
ピクルスは3種。
ズッキーニ、パプリカ、カリフラワー。
適度な酸味が口内をリセットし、食欲をグンと高めてくれます。
赤ワインはイタリア産。
ブドウはメルロー100%で、有機農法のものを用いているそう。
ベリーのような果実味と甘みがあり、渋さは控えめ。
メルローらしいメルローと言って良いかしら。
口当たりが滑らかで、カパカパと杯が進んでしまいます。
◯ スープ
続いてはスープ。
スープ好きのもっさんとしては、ランチのコースでフルサイズのスープが供されるのは嬉しい限りです。
この日のスープはかぼちゃのポタージュ。
スープ面にはエスプーマソースを浮かべていますので、軽くひと混ぜして頂きます。
もっさんは普段、かぼちゃを好んでは食べないのですが、このポタージュは激ウマ!
先ず、ベースとなるブロードが相当なものでしょう。
そのブロードの旨みへ、丹念にかぼちゃの旨みを重ねています。
エスプーマは恐らく、卵白に生クリームかしら?
かぼちゃの甘みと高相性であると共に、ポタージュの舌触りに軽さを齎しています。
2025年、これを超えるスープに出会えるでしょうか!
◯ ローストビーフ
◯ ライス
いよいよコースのメインアクト。
ローストビーフの登場です。
ローストビーフは2種の盛り合わせ。
向かって左側がキッチン フォークさんご自慢の「匠のローストビーフ」。
向かって右側は「極上のローストビーフ」。
サシの入った部位を用いているそう。
ローストビーフとしてはかなり珍しいのでは?
もっさんは初めての体験だと思います。
選べるライス or パンからは、手堅くライスを選択しました。
では頂いてみましょう。
先ずは匠のローストビーフから。
昨今では「厚切りローストビーフ」を良く見かけますが、こちらはクラシックな薄切りスタイル。
その薄さも相俟って、食感は非常に柔らか。
赤身肉の旨みがしっかりと凝縮されています。
調理には7時間以上かかるそうですが、掛けた手間暇が美味しさに反映されているように思います。
次いで、極上のローストビーフ。
これが凄まじい!
匠のローストビーフを上回る柔らかさ。
文字通りに蕩ける食感は、お寿司屋さんで頂く上質なトロや中トロに似ているかしら。
脂の甘みが舌の上にさあっと広がった後、お肉の旨みが主張してきます。
サシの入った牛肉のローストビーフとは、こうした物でしたか!
牛肉を頂くにも様々な調理法がありますが、キッチン フォークさんのローストビーフは紛れもなく、その「最適解」のひとつでしょう。
変わっているなと感じましたのは、茶色く色付いた外周部の厚みが薄い事です。
最初に焼き付ける表面の部分を、恐らくはトリミングしているのだと思われます。
食感の柔らかさに、ひと役買っているでしょうか。
他では見た事の無い工夫でした。
味付けには岩塩のほか、おろしポン酢ソースとフルーツソースを用意。
薬味に粒マスタードとホースラディッシュも添えられています。
ひと通り試してみましたが、もっさんの好みはダントツでフルーツソース。
適度な甘塩っぱさにご飯が良く進みます。
すいません、赤とライスのお代わりを下さい。
お肉に臭みやクセがありませんので、マスタードやホースラディッシュは要らないかな。
寧ろ、無い方が良いとも感じました。
◯ デザート
◯ コーヒー
コースの〆はデザートとカフェ。
選べるコーヒー or 紅茶からは、ホットコーヒーをお願いしました。
デザートはメニューに「季節のシャーベット」と記載されていましたが、実際はシャーベット、シフォンケーキ、パンナコッタと3種盛り合わせのデザートプレートでした。
これは嬉しいサプライズです。
この日のシャーベットはレモン。
キリッと酸っぱく、かつ酸っぱ過ぎない絶妙な塩梅。
お肉とワインの後にはうってつけです。
カダイフの庇もサクサクで旨し。
イチゴのシフォンケーキ、パンナコッタ共に甘さは抑えめの味付け。
酸味の強いベリーソースを合わせれば、更にサッパリ感を演出する事も出来ますね。
統一されたアティトゥードが、このひと皿全体の満足度を高めています。
メインのローストビーフが兎に角、素晴らしい。
メディアへの露出の多さは伊達ではありません。
前菜やスープ、デザートもハイクオリティ。
お酒を飲みながらゆったりと頂くランチにはうってつけです。
要予約ではありますが、予約するだけの価値は十二分にあるコースでした。
ご馳走様でした。